2018年のアルミモデルを皮切りに、カーボンモデル、レフティ&e-bikeのネオと1年ごとにニューモデルをリリースし、グラベルシーンを常に盛り上げてきたキャノンデールのトップストーンシリーズ。途中にマイナーチェンジを挟みながらもデビューから5年目を迎え、いよいよフルモデルチェンジとなりました。
すでに実車も入り始めているということで気になるサイクリストさんも少なくないはず。初期型オーナーとしての目線を交えながら、新しいトップストーンの魅力に迫ってみたいと思います。
ネックを潰し、強みを煮詰めたカーボンモデル
トップストーンの新型はカーボンフレームが5グレード、アルミフレームが2グレードです。カーボンモデルだけでもかなり情報量の多いモデルチェンジになりましたので、今回はそちらに絞ってみていきましょう。
モデルチェンジのポイント
①フレームを刷新
②スマートセンスを搭載
③バリエーションの拡大
④プライスの調整
①フレームを刷新
トップストーン・カーボンシリーズには大きく2系統に分かれます。片持ちの前サス付きのレフティとノーサスの無印(このブログではノーマルタイプと呼びます)ですが、フレームは共通です。スポーツバイクのモデルチェンジ=ニューフレームですから、まずはここからチェック。
クランクもホイールも「選べる」幸せ
トップストーン・カーボンの新しいフレームで個人的に最も刺さったポイントは、BBとリヤまわりの規格を標準的なタイプに切り替えたこと!旧型はBB30とAiオフセットというキャノンデールのこだわりが詰まった規格が採用されていました。どちらもメリットを見込んでのオリジナリティでしたが、そのトレードオフとしてカスタマイズのネックになっていたことは確か。
キャノンデールの人気グラベルマシン「Topstone」がアップデート。カーボンモデルはKingPinとジオメトリーの改良や、BBやホイールに採用されていた独自規格の廃止など性能とユーザビリティを共に押し上げると共に、アルミモデルは完全新設計のフレームに生まれ変わった。https://t.co/r7PjD7ZcQb
— cyclowired.jp (@cyclowired_jp) April 5, 2022
トップストーン・カーボンのBB30は、独自規格の中でもさらにマイナーなMTB用の幅広タイプ。サードパーティのアダプターすらないためシマノクランクは使えません。その上、クランクのつけ外しにも専用工具が必要になる念の入れようです。
Aiオフセットではデフォルトホイールをグレードアップしたくても、完組ホイールのセンターを調整という博打に出るか、手組みでそれ用にわざわざ組むしか選択肢がありませんでした。
それが一転。BBはシマノ対応のネジ切りタイプへ。リヤまわりのフレームワークはドロップチェーンステーとすることで、一般的なホイールをポン付けできるように。こだわりを捨てて、パーツ選びの選択肢を他のブランドと同じレベルまで広げる決断は正しいと思います。トップストーン・カーボンに一目惚れして手に入れた吉尾ですら、正直この「縛り」は窮屈に感じましたから(最近は開き直ってポジティブに捉えています!)。
スピードリリースもさりげなくフェードアウト
規格ではありませんが、旧型の前後エンドには「スピードリリース」という、これまたキャノンデール独自の工夫がありました。どんなものかというと、スルーアスクル対応なのにクイックリリースのような切り欠きがあるんですね。
「スルーアクスルをハブにさしたままホイールをフレームから外せる」のがスピードリリースのメリットですが、構造上「ホイールが微妙にズレやすい」というデメリットがありました。走行に影響がなければわずかなズレくらい許容範囲ですが、実はこれがディスクブレーキの”引きずり”に繋がっちゃう。
このズレはスルーアクスルの締め込みで防げるものではないらしく、ショップの方曰く、「はまり具合をまめにチェックするしかない」のだとか……そんなわけで、オーナーとしてはメリットよりもデメリットの方が大きく感じる工夫でした。新型のスペック欄には表記がないので、フレームの刷新を期に廃止されたのでしょう。ここも正解!
キングピンサスのアップデート
トップストーン・カーボンのシンボルもより軽くよりスムースに進化しています。主要部品を金属ベアリングからブッシュへ変更することで100gの軽量化を達成。
ホイールとタイヤ幅をワイド化
旧型では650B仕様だったレフティフォークが700Cに対応すると同時に、ノーマルフォークともどもタイヤ幅のキャパシティを約5mm拡大。700Cホイールなら最大45mm幅のタイヤが使えます。大は小を兼ねるで、650Bホイールなら2.1インチ(≒53mm)までOK。MTBライクな走破性が期待できます。
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