【気になるグラベルバイク3】キャノンデール・トップストーンが大人の階段登る正統進化

グラベルバイク

グロメットの追加

地味なアップデートですが、ノーマルフォークのグロメットが片側3ヶ所ずつに増設されました。ガチなバイクパッカーの方にはさらに使いやすくなっているはず。

インナールーティングの進化

旧型のリヤまわりのケーブルルーティングって実はタイラップで吊られているだけなんです。整備性を重視する吉尾でも、なんとなく「やっつけ感」を感じる見た目。そのあたりも今回のモデルチェンジでロードバイクのようにシフトケーブルがチェーンステーの内部を通るように変更されています。


↑ン十万もするバイクにタイラップはさすがにアンマッチな気がして仕方ない

ジオメトリはおおむね踏襲

機能は大きく刷新されたフレームですが、ジオメトリの変更はほとんどありませんでした。ヘッドチューブ短くなり、トレイルとチェーンステーが伸長。数値だけを見れば、より安定志向に振った印象です。

【新旧ジオメトリ比較】

世代
モデルカーボン3Lカーボン5
サイズSMSM
ジオメトリリーチ(BB→ヘッド)水平3773770
スタック(ヘッド→BB)垂直5515492
トップチューブ長(仮想)5445440
ヘッドチューブ長123131-8
トレイル62584
フォークレイク55550
シートチューブ角度73.173.10
チェーンステー長4204155
ホイールベース長101310103

旧型のネックは潰して強みをさらに煮詰めた新しいフレームは、まるでオトナのビジネスパーソンが理詰めで取捨選択したよう。その”正統進化”には大いに納得できる反面、面白みという点では”ナナメ上をいく”キャノンデールらしさがやや薄まってしまった感があります。

創業から半世紀の節目を迎えたこと。コロナ禍中に親会社が替わったこと。ヤンチャな印象が強かったキャノンデールもさまざまな変化の中で新たなフェーズへと進んでいるのかもしれませんね。

②スマートセンスを搭載

新型シナプスから搭載されたキャノンデールが推しまくるデバイス。前後ライトだけの簡易版とガーミンのリヤビューレーダーを加えた上位版があります。

機能の詳細についてはオフィシャルサイトをご覧いただくとして、スマートセンスを搭載していないモデルには、その場所をチューブやコンパクトツールを取り付けられるストラップラックホルダーに活用しているところが良き。


↑こういう工夫は得意技ですよね〜

個人的にはもちろんレーダーに心惹かれるわけですが、レーダーを付ける前にイケてるバックミラーを開発して欲しかった気もします。レフティモデルには未搭載なのが残念。

③バリエーションの拡大

実は今回のモデルチェンジで、ノーマルモデルのバリエーションが増えました。レフティだけに用意されていたスラムの電動コンポ付きグレードがノーマルモデルにもラインナップ。おまけにレーダーのスマートセンスも装備され、価格的なフラッグシップはノーマルフォークタイプとなりました。見た目でも好みが分かれそうなレフティよりも、ロードバイクっぽいノーマルタイプ方が人気だったのかしら?


↑フラッグシップの「1」はハンドル・ホイール・シートポストもカーボン

④プライスの調整に良心を感じる

てんこ盛りのアップデートに、昨今のパーツ価格高騰が加わって、値付けはさぞかしお高くなったのだろうなと思いきや。あれ?それほどでもない?

このご時世ですからスライドというわけにはいかないけれど、各グレードのアセンブルをひとつひとつチェックしていくと、「モデルチェンジ=単なる値上げ」にならないように、あの手この手でヤリクリした「苦労のあと」が伺えます。グラベルバイクの候補にトップストーン・カーボンが入っているなら、前向きに検討すべきコストパフォーマンス。

今のオフィシャルサイトは新旧モデルが入り乱れているうえ、相変わらず謎なナンバリングで何が何だか分かりにくかったので、系統別にスペックの新旧比較表を作ってみました!

【ノーマルタイプの新旧比較】

新旧
モデル1RLE3L456
ドライブトレインBB規格BSA 68mmBB30A 83mm
クランクForce
(43-30T)
GRX600
(46-30T)
GRX400
(46-30T)
キャノンデール1
(46-30T)
GRX400
(46-30T)
STIForce eTap AXSGRX600GRX400GRX600GRX400
FDGRX800GRX800
RD
スプロケ10-36T(12S)11-34T(11S)11-34T(10S)11-34T(11S)11-36T(10S)
ブレーキブレーキキャリパーForceGRX600GRX400GRX400GRX400
ブレーキローター160mm
ホイールリム素材カーボンアルミ
ホイールサイズ(内寸)700C
(27mm)
700C
(23mm)
タイヤ幅45mm37mm
最大タイヤ幅700Cー45mm 650Bー2.1ich700Cー40mm 650Bー47mm
コンポハンドルFSAカーボンアルミ16°
ステムFSAアルミアルミ
バーテープフィジークキャノンデール
サドルフィジーク・テラアルゴX3フィジーク・アリアンテデルタ
シートポストSAVEカーボンアルミ
スマートセンスライト&レーダーライト
価格(税込・万円)79.236.328.632.228.6

【レフティモデルの新旧比較】

世代
モデルレフティ1レフティ2レフティ1レフティ3
ドライブトレインBB規格BSA 68mmBB30A 83mm
クランクForce
(40T)
GRX600
(40T)
Force
(40T)
キャノンデール1
(40T)
STIForce eTap AXSGRX800Force eTap AXSGRX600
RDGRX800
スプロケ10-44T(12S)11-42T(11S)10-52T( 12S)11-42T(11S)
ブレーキブレーキキャリパーForceGRX800ForceGRX400
ブレーキローター160mm
ホイールリム素材カーボンアルミカーボンアルミ
ホイールサイズ(内寸)700C
(27mm)
700C
(23mm)
650B
(23mm)
タイヤ幅44mm44mm47mm47mm
最大タイヤ幅700Cー45mm 650Bー2.1ich700Cー40mm 650Bー47mm
コンポハンドルアルミ12°アルミ12°SAVEカーボン・8°アルミ16°
ステムアルミアルミSAVEアルミアルミ
バーテープフィジークフィジークキャノンデールキャノンデール
サドルフィジーク・テラアルゴX3フィジーク・テラアルゴX5フィジーク・アリアンテR3フィジーク・アリアンテデルタ
シートポストSAVEカーボンドロッパーSAVEカーボンカーボン
スマートセンス
価格(税込・万円)73.748.485.544.0

と思ったら、やっぱり値上がりは避けられないようです。トップストーンも4月現在の価格より4〜10%程度アップ。リリースした直後にこの動きとは……何かがあったのでしょうか?


↑左欄が新価格

レフティかノーマルか?

トップストーン・カーボンのモデル選びは、レフティとノーマルの選択が一番の迷いどころなのではないでしょうか?例えば、機械式コンポのレフティ2とノーマルの3Lでは12万円の価格差ですから、レフティが気になっていたとしても「最初はノーマルで充分なのでは?」と考えがち。吉尾もまさにそうでした。実際、ノーマルモデルでも充分楽しいのですが、それでも敢えておすすめしたいのは、やっぱりレフティモデル。


↑フレームカラーもステキすぎる

トップストーンを買ったら当然グラベルに走りに行くわけですが、日本でグラベルといえば≒林道。その路面はフラットなダートばかりではありません。実際には結構ゴツゴツしたトレイルレベルの坂道が多かったりします。もちろんノーマルモデルでも走れますけど、レフティフォークが存在しているだけに「フロントサスがあったらもっと楽しいかも?」という思いが一切ないかといえばウソになります。


↑レフティ2にはドロッパーシートポストが付いているのもグッド

ノーマルモデルとレフティのフレームは共通なので、フォークさえあればノーマルからレフティへアップグレードは可能。ですが、レフティフォークがパーツ単体で供給される可能性は極めて低いようなんです。旧モデルでもほんの数本だけだったと聞きます。というわけで、少しでもレフティモデルにトキめいている貴方は、(多少無理をしてでも)思い切って手に入れてしまった方が結果的にしあわせになれる!はず。


↑舗装路メインの楽しみ方なら、今や新型シナプスもありますからね

吉尾エイチでした。m(_ _)m

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