スポーツバイクを楽しむフィールドを大きく広げてくれるグラベルバイク。その人気の高まりを受けて、昨年は多くのニューモデルがリリースされました。これまでの「気になる存在」から「いよいよ今年は……」と決意を固めている方も少なくないのではないでしょうか?
というワケで、今年は個人的に気になるグラベルバイクを積極的に取り上げていきたいと考えています。バイクメディアのような試乗レポートは難しいですけど、自分のグラベルバイク「キャノンデール・トップストーンカーボン」と比較しながら、ゆる系ユーザー目線の記事をお届けします。グラベルバイクの購入を検討している皆様のお役にわずかながらでも立てれば幸いです。
名前はロードモデル、中身のベースはシクロクロスバイク
記念すべき第1回目はやっぱりコレでしょう!愛車と同じキャノンデールが昨年発表したニューモデル「スーパーシックスエボSE/CX」です。ニュースリリースを初めて目にしたときは、「まじか!トップストーンはどうなっちゃうの?」と心配になりましたが、内容を読んでなるほど!と。
世界中のロードレースシーンで勝利を収めるSuperSix EVOのパフォーマンスを、シクロクロスとグラベルへ。より滑らで、かつてないほど高性能な新型ロードバイクSuperSix EVO CX & SE登場。https://t.co/lYv0XGZb9q#SuperSixEvoSE #SuperSixEvoCX pic.twitter.com/zgINZrnCad
— キャノンデール・ジャパン【公式】 (@CannondaleJapan) August 24, 2021
この2モデルは、ルックスとネーミングを見ればロードモデルの「スーパーシックスエボ」の派生型です。実際、エアロダイナミクスに優れたフレームの造形はロードの「エボ」そのもの。しかし、ジオメトリ―を比べてみると、シクロクロスモデル「スーパーX」の数値をほぼ踏襲しているのがわかります。
【ジオメトリ―表:単位㎝】
モデル | スーパーシックスエボ(SSE) | SSE-SE/CX | スーパーX |
サイズ | 48 | 46 | 46 |
シートチューブ | 43.8 | 44.9 | 44.9 |
トップチューブ(水平) | 52 | 50.7 | 50.7 |
ヘッドチューブ角度 | 71.2° | 70.0° | 70.0° |
シートチューブ角度 | 74.3° | 73.9° | 74.6° |
スタンドオーバー | 72.6 | 74.3 | 74.3 |
ヘッドチューブ | 11.4 | 9.3 | 9.3 |
ホイールベース | 98.5 | 100.2 | 100.2 |
フロントセンター | 58.8 | 59.0 | 59.8 |
チェーンステイ | 40.8 | 42.2 | 42.2 |
BBドロップ | 7.4 | 7.0 | 7.0 |
BBハイト | 26.8 | 28.0 | 28.0 |
トレイル | 5.8 | 6.9 | 6.9 |
スタック | 51.9 | 51.5 | 51.9 |
リーチ | 37.4 | 36.5 | 36.5 |
※スタックが近しいサイズで比較
スーパーシックスエボSE/CXの中身は第3世代のスーパーXともいえるわけで、メーカーが言い切るとおり、ダートレースで勝つための「決戦用バイク」。ただ、SE/CXの方がスーパーXより太いタイヤを履けるようになっていて、グラベルフィールドの走破性をさらに高めています。
記号の違いはただのグレード違いなのでは?
次にSEとCXの違いについて。SEはグラベル用、CXはシクロクロス用となっていますが、実はフレームとフォークはどちらも共通なのだそうです。では何が違うのか?パーツとコンポのアセンブルで、それぞれのレースに最適化されているのだとか。
キャノンデールの名作レーサー、SuperSix EVOにオフロードモデルが登場。SuperSix EVO CX / SEは、それぞれシクロクロス/グラベルレースというコンペティティブなダートライドに焦点を当て、最速を目指した紛うことなきレーシングバイクだ。https://t.co/TqbTD2Fnch
— cyclowired.jp (@cyclowired_jp) August 24, 2021
SEは長時間かつシチュエーションの幅が広いグラベルレースに対応しています。スラム・ライバルの電動コンポはフロントダブル仕様。シートポストは振動吸収性に優れたセットバックタイプ。そしてデフォルトタイヤは幅広の700C×40C。
一方、シクロクロスレースにフォーカスしたCXはスピード重視のセッティングです。コンポは同じスラムでも機械式&フロントシングルのフォース1を採用(軽量化したのかな?)。戦闘的なポジションのゼロオフセットシートポスト。タイヤサイズは競技のレギュレーションに合わせた700C×33Cとなっています。
キャノンデールからダート決戦用に進化を遂げた「SuperSix EVO CX / SE」発売|Cannondale | BiCYCLE CLUB https://t.co/A1gcqBFaRc@CannondaleJapan pic.twitter.com/jMbVruM79w
— バイシクルクラブ (@bicycleclubfunq) August 24, 2021
ただ、ですよ。同じフレームのコンポ違いって、それはいわゆる「グレード分け」なのではないかしら?SEとCX、なんて言われると別モノのような気がしてしまうけれど、表記がアルファベットになっているだけで、意味はトップストーン1などの数字と同じ。
つまり、グラベルかシクロクロスかではなく、単純に電動コンポが欲しい方はSE、価格重視ならCXという選び方で良いのだと思います。どちらも一色展開なので、フレームカラーの好みはもちろん重要ですが……
【SEとCXの主な相違点】
モデル | SE | CX |
コンポ | スラム・ライバル電動12速 | スラム・フォース1 |
シートポスト | オフセット | ゼロオフセット |
タイヤ幅 | 40C | 33C |
ハブ | DT Swiss 350 | Formula CL-712 |
リム | DT Swiss CR-1600 SPLINE | DT Swiss R470 |
スポーク | DT Swiss Aero Comp | ステンレス |
↑”上位グレード”のSEはホイールのランクもCXより上。完成車では差別化の常套手段ですね
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