オンオフどちらの道もイケちゃう水陸両用的に語られるグラベルバイク。一目惚れしていた「キャノンデール・トップストーンカーボン(以下C)」を衝動的に買ってしまったのは良いけれど、気になって仕方がないのが舗装路のスピードと走りやすさ。
オフロードの走破性がロードバイク以上であることは、グラベルバイクの太いタイヤをみれば素人でもわかります。でもそれで、オンロードの気持ちよさが大きくスポイルされてしまうようなら考えもの。身近にオフロードが少ないエリアでは、オンロードメインの乗り方になるのでなおさらです。
前回の記事では、ジオメトリ―とスペックというグラベルバイクとロードバイクの定量面の違いを整理してみましたが、今回はいよいよ、外ライドに出かけて走りのフィーリングを比較してみたいと思います。
トップストーンCとRIDE3000の主な違い
2台の違いはいくつもありますが、実走に響きそうなものといえば大きく3つ。重量とタイヤ幅とギヤ比です。RIDE3000はロードバイクとしては重いほうですが、4年かけてカスタマイズしてきただけあって、デフォルト状態のトップストーンCと比べると2Kgも軽量。
項目 | トップストーンC | RIDE3000 | |
重量(実走時) | 10.2㎏ | 8.2㎏ | |
ギヤ比 | 0.88~4.18 | 1.13~3.09 | |
タイヤ | 幅 | 37C | 28C |
トレッド パターン | セミノブ | スリック | |
ポジション | ペダル間隔 (Qファクター) | 269mm | 252mm |
クランク長 | 170mm | 165mm | |
サドル→ ブラケット落差 | +8mm | -30mm |
一方でトップストーンCはタイヤの幅がほぼ1cm太く、ローギヤも2枚分以上軽い仕様になっています。あと、どこまで走りに影響するかわかりませんが、ポジションが若干違います。
3つのシチュエーションを乗り比べてみたインプレ
上記の違い以外は、コースや装備、休憩のタイミングまで、できるだけ同じ状況で走っています。シチュエーションは、①平坦100㎞のロングライド、②約3kmのヒルクライム、そして③その下り。もちろんすべて舗装路を走るルートです。
平坦ロングライド
巡航速度のキープ力は車重よりも空気抵抗なの?
まずは関心度MAXのロングライド比較です。ルートは自宅から小田原城までの往復120kmの海沿いフラット。
走り始めは巡航速度を上げられず、頑張っても27〜28km/h程度がせいぜい。「やっぱり、グラベルバイクはダメなのか?」と思ってしまいましたが、当ブログにいただいたコメントを思い出して下ハンドルを握ってみたら……いきなり30km/hまでピョンと上がるじゃないですか!
バイクの空気抵抗のほとんどが人体だと聞いてはいたけれど、ブラケット位置を下げていたロードバイクでは経験しなかった劇的な変化(多分、ロードバイクの下ハンは吉尾には低すぎるのでしょう) 。
トップストーンCはコラムをカットせずハンドル位置を目一杯高くしていたので、下ハンを握り続けてもそんなにツラくありません。そんなわけで中盤から「下ハン巡航」にスイッチした結果、行きも帰りもほぼ同タイムでゴール。
風向きや道の混み具合といった外的要因まで含めると全て同じ条件とは言えませんが、ここまで差がないのなら、トップストーンCのオンロード走行は「ロードバイク並み」と言い切ってしまっても差し支えないはず。
●所要時間と平均時速
トップストーンC | RIDE3000 | ||
往路 | 距離 | 56.8㎞ | 56.1㎞ |
時間 | 2:27 | 2:23 | |
平均速度 | 23.1㎞/h | 23.4㎞ | |
復路 | 距離 | 55.8㎞ | 56.9㎞ |
時間 | 2:40 | 2:40 | |
平均速度 | 20.9㎞/h | 21.2km/h |
コメント
ご無沙汰していたうちにグラベルバイクが増えていて驚きました!^ ^;
いいですねぇトップストーン。
ワタシは”そそられる”未舗装路があれば突っ込みたい派ですが、しかし吉尾さんも書かれていたように、実際の走行は9割がた舗装路なので、ぶっといタイヤでフロントシングルというのは現実的じゃないですし、そもそも虻蜂取らずでは楽しめないですよねぇ。
いまは28CのグラベルキングSSが履けたので、それで歯が立たなくなったら押し歩きか担ぎでいいじゃん、と割り切ってリムブレーキ仕様のまま林道や河川敷を楽しんでます。
yoshimotoya120さん
ご無沙汰してます。お元気そうで何よりです。
いろいろ理由をつけていますが……トップストーンの購入は書いたとおりの衝動買いですσ(^_^;)
ロードに較べるとゴツくて重いせいか、「乗るたびにジワジワ楽しくなる」ーそんな印象のバイクです。
舗装路でかっ飛ぶような性格のバイクじゃないですもんね。
車輪も全体的に重くなってると思いますが、外周部のタイヤの重さが巡航時の転がりの良さに貢献してる感覚はありますか?
yoshimotoya120さん
慣性という意味合いでは実感はありません。体感的には、ポジションや太タイヤの空気抵抗の影響の方が大きい気がします。
なるほどぉ、そういう感触なんですね。
アップライトなポジションだと、けっこう体が起きますしね。
参考になります!