【気になるグラベルバイク:1】キャノンデール・スーパーシックスエボSE/CX

グラベルバイク

グラベルもトップストーン・カーボンより速い……かも?

スーパーシックスエボSE/CXの記事を読み漁ってみると、同じブランドのグラベルバイクとして「トップストーン・カーボン」との比較が目につきます。内容的にはSE/CXがオンロード寄り、トップストーンがオフロード寄りと解説されているものがほとんどですが、実は走りに関わる部分のジオメトリーは結構似ています。

トップストーンの方がコケた時に足をつきやすい+α

トップストーンのオフロードっぽさといえば、バイクを跨いだ時の足つきの良さくらいでしょうか?スタンドオーバーハイト(地面からトップチューブの上面)が3cm程度低いので、脚が長いとはいえない吉尾には、SE/CXよりトップストーンの方がベターな選択……。

【ジオメトリ―表:単位㎝】

モデルスーパーシックスエボSE/CXトップストーン・カーボン5 
サイズ46XS
シートチューブ44.941.0
トップチューブ(水平)50.752.5
ヘッドチューブ角度70.0°70.0°
シートチューブ角度73.9°73.1°
スタンドオーバー74.371.5
ヘッドチューブ9.39.7
ホイールベース100.299.9
フロントセンター59.059.4
チェーンステイ42.241.5
BBドロップ7.06.9
BBハイト28.027.3
トレイル6.96.6
スタック51.551.8
リーチ36.536.8

※スタックが近しいサイズで比較

実際、トップストーンはスローピングがキツくシートチューブが短いから、サドルが低くてもシートポストの”突き出し”が長く見える、という、まあどうでも良いけどかなり嬉しい「メリット」があります。ほんと、どうでも良いけれど。


↑これでも前のロードバイクより突き出ているんです……

サスペションとタイヤ幅、効果的なのはどっち?

足つき以外のジオメトリーがどちらも変わらないのなら、より軽量であるはずのSE/CXの方が理屈的には速いはず。一方で、トップストーンはリヤひキングピン・サスペションを搭載している(レフティは前サスも)から走破性が高いようにも思えるけれど、最大タイヤ幅はSE/CXの方が5mm太い(700Cの場合)のです。

【足廻り比較】

モデルSE/CXトップストーン・カーボン5
サスペションリヤのみ
最大タイヤ幅(700Cの場合)45mm40mm

トップストーンでごく短いグラベルを何度か走ってみただけ感想としては、キングピンの効果ってMTBのサスペションほど明確には感じられません。トラベルが30mmしか働かないサスペションとタイヤ幅5mm分のエアボリュームでは、どちらがグラベルに強いのか?なかなか興味深いところです。


↑30mmトラベルの効果はいかに?

オフロードの旅に出かけるならトップストーン

素人目で比べた際に、スーパーシックスエボSE/CXとトップストーンで明確にキャラクターか分かれるところは「オプションの拡張性」。

【拡張性比較】

モデルSE/CXトップストーン・カーボン5
グロメットロード並みトップチューブ上、ダウンチューブ下、フォーク両側にもあり
ドロッパーシートポスト対応N/A

わかりやすいのがキャリアやケージをつけるためのグロメット数。トップストーンにはグラベルバイクらしくいろんなところに設けられていますが、SE/CX数はロードバイク同様、ダウンチューブとシートチューブに1箇所づつです。流行りのバイクパッキングにチャレンジするなら、トップストーンの方が使い勝手が良いと思います。

あと、トップストーンはオフロードの下りで便利なドロッパーシートポストにも対応していますので、グラベルメインで走る方にはおすすめです。

スーパーシックスエボSE/CXがマッチしそうなサイクリストは?

というわけで、スーパーシックスエボSE/CXはこれまでキャノンデールのグラベルカテゴリーを担ってきたトップストーンに引けを取らない走破性を持っていることがわかりました。

それでも敢えて区別をするならば、こんなところでしょうか?

①ダートレースに出る方

キャノンデール自身が「決戦用」と言い切っていますから、まず間違いはないか、と。グラベル・シクロクロス兼用というと、サーベロのアスペロやチネリのキングジデコ、リドレー・カンゾスピードあたりがライバルでしょうか?

②走破性の高い”ロードバイク”が欲しい

レースに出るほどではないけど、いかにもグラベルバイク的なモデルはちょっと……という方にもおすすめ。ロード用ホイールに細タイヤを合わせれば、普通のロードバイクとしても十分通用するはず。

③キャノンデール好き

「キャノンデールを買う人は当然でしょ?」なぜわざわざそんなことを書くかと言いますと……スーパーシックスエボSE/CXのリヤには、トップストーン同様「Aiオフセット」というキャノンデールの独自規格が採用されているからです。


↑ホイールセンターがノーマルタイプより反ドライブ側に6mmズレています

太幅タイヤとショートチェーンステイを両立するための工夫なのですが、ホイールを交換しにくいというデメリットがあります。こんなことをしているブランドは他にないので、ホイールメーカーも当然に非対応。市販のホイールだと調整しきれないこともあるそうなので、手組みでオーダーする方が多いようです。

加えて、BBも「BB30A」という独自規格ですから、クランクもシマノをポン付けできません。吉尾はトップストーンの「キングピン」に惚れたので納得ずくで買いましたが、ホイールとクランクを自分でちゃっちゃとカスタムできないのは、何気にストレスです。セルフメンテナンス派のサイクリストさんは、先程あげたライバルモデルの方が弄りやすいかもしれません。


↑クランクもショート化したい!

価格は高いけどコスパの良さならSEか?

吉尾は買えませんが、もしどちらかを選ぶならちょっと頑張ってSEの方ににしたいです。コンポのグレードはCXより下がるものの最新型の電動12速。さらにミドルクラスのDTのホイールが付いて、価格差は約9万円となれば、お得な感じがしませんか?買えませんけど。

吉尾エイチでした。m(_ _)m

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