グラベルバイクのデフォルトタイヤを交換しました。WTBのリドラー37Cをパナのグラキン38Cへ。リドラーに不満はなかったのですが、どうしても「太めのスリック」を体感してみたかったのです。
グラキンのインプレはまたの機会にさせていただき、今回はタイヤ交換でやっぱり発生したお約束の「想定外」と、その対策について。
外れないチューブレスタイヤに万力を投入
リドラーはチューブレスレディタイヤですが、ショップから納車された状態はチューブド。シーラント剤は使われていません。だけど。ビードがね、外れないんっスよ。ぜんぜん!押しても引いても、なだめてもスカしても、ビードとリムの仲を素手で引き裂くことはできませんでした。
とにかく、まったくスキマができないので、タイヤレバーもねじ込めず。ロードタイヤでは有効だった「ペンチでつかんでむしりとる作戦」もダメ。リムもタイヤも同じWTBだからといって、必要以上に相性が良過ぎです。
そこで今回は禁断の「万力」を投入することにします。リムを傷めないように養生して、ぐいぐいクランプしたら、万力を足で押さえながら、テコを効かせる要領でホイールをゆっくり持ち上げます。
これでダメならタイヤを切る!という覚悟が届いたのか「ぼこん」と派手な音を立ててビードが外れました。同じやり方で、前後左右のビードを攻略し、なんとかタイヤ交換に成功。MTB系の太タイヤはロードタイヤより外しにくいと聞いてはいましたが、まさかこれほどとは……あらかじめシーラントを注入してパンクに備えるチューブレスタイヤが、MTB界隈で普及したワケを実感しましたよ。出先でタイヤを外すなんて多分ムリ、です。
パンクはタイヤを外さずに修理!タイヤプラグを導入
これまではチューブレスタイヤといえども「困ったらチューブを入れちゃえばいいや!」とチューブとタイヤレバーを車載していましたが、タイヤを外せないなら無用の長物。だけどパンクには備えたい……ではどうするか?
パンクの種類と対応を難易度別に整理してみると、サイドカットは運任せ(直るか直らないかやってみないとわからない状態)と割り切ってしまえば、チューブはマストではないことに気づきました。
そうです!チューブレスタイヤにはタイヤプラグというツールがありました。ロードバイクでは今ひとつマイナーですが、MTBではかなりポピュラーっぽい。タイヤを外さず、やり方次第で結構大きめのパンク穴にも対応できちゃうところがスゴイですね。プラグというゴム片をタイヤにブスっと刺すだけ、というイージーさも良き。
良さげなタイヤプラグはどれだ?
タイヤを外さずに、外側からパンクを修理できるツールがタイヤプラグ。各社とも少しずつ特徴が違いますが、好みで選んでしまって問題ないレベルだと思います。吉尾のチョイスはブラックバーンの「プラガー」。針にプラグをセットしやすそうだったので。
パナレーサー
ワンタッチ的な他社製品に対して、ゴム片をハサミで切り出し、ゴムノリを塗り……と、職人的なステップを大切にするアナログ型。ゴム片を大きくカットすれば、大穴にも対応できそうな頼もしさがステキ。でも、ちょっと嵩張るかなぁ。
ブラックバーン・プロタイプ
吉尾のモデルはスタンダードな樹脂ボディですが、こちらはワンランク上をいくCNC削り出し。持つ喜びも満たしてくれることウケアイ!
スタンズ・ダートツール
独断と偏見だけで言うと、1番大きな穴を確実に塞いでくれそうなモデル。シーラントとの化学変化がキモだということなので、ラテックス系のシーラントを愛用している方におすすめ。吉尾は非ラテックス派なので、念のため見送り。
ウルフトゥース
とにかく、デザインがいちいちカッコ良すぎるブランド。物欲を直撃する佇まいにクラクラします。タイヤプラグにチェーンカッターを組み合わせ、バルブコアまで収納できるマルチツール。同じシリーズのツールとマグネットで合体できたりして、超合金世代には刺さりすぎる仕立てになっています。でもね、いささか高価。
ジャイアント・チューブレスパッチキット
プラグではなく、タイヤの内側に使うようなパッチを外側から貼ってしまおう!という大胆な商品。ジャイアントブランドなので、通販はありませんが、直営店ほかサイクルベースあさひでも置いてあるのをみました。
パンク修理剤
シーラントは気づくとタイヤの中でカピカピに乾いていたりします。こうなるといざという時役に立ってはくれません。なので、吉尾は必ずパンク修理剤を携帯しています。残念ながら(?)使う機会に恵まれず実力のほどは未知数ですが……。タイヤを外さずにパンクを修理するという機能はプラグと同じですから、併せて使えばさらに効果を発揮してくれそうです。
空気の継ぎ足し対策に電動ポンプも
タイヤを外さないパンク修理は、「うまくいったらおなぐさみ」的なところもあるようで、チューブを入れたりパッチを当てたりする”王道”に比べると確実さは今ひとつ。つまり、抜け続ける空気を補充しつつ走り続けるシチュエーションも十分ありえるわけです。
パンクは未経験の吉尾ですが、ただでさえ気持ちが凹んでいる時にポンピングの無限地獄とは、想像しただけでもゲッソリします。となると、スイッチひとつで勝手に空気を入れてくれる電動ポンプは、肉体的にも精神的にも必須のエマージェンシーツールと言えるでしょう。多少重くても、ここぞというときに気持ちが折れない工夫は大切です。
パンクを直せなくても走れる!タイヤインサートという選択
シーラント×パンク修理剤×タイヤプラグ×電動ポンプの4連装で「タイヤを外さない」パンク修理メソッドの完成!と言いたいところですが、大きなサイドカットに対してはこの布陣でも不安が残ります。
そこで注目したいのが「ランフラット化」です。ランフラットタイヤとは「パンクが直らなくても走れるタイヤ」のこと。自転車の世界ではタイヤの内部にクッションを仕込み、パンクで空気が抜けても1時間くらいは走れるようになっています。
つまり、ランフラット化とはあらかじめタイヤを2枚重ねにしておくようなもの。究極の「転ばぬ先の杖」ですが、お値段もタイヤと同じくらいかかります。それを安いと取るか高いと感じるかは人それぞれだけど、パンク未体験の吉尾としては、どうしても費用対効果を考えてしまいます。なんせ、パンクの神様には無視されっぱなしですから……。
というわけで、タイヤインサートはめちゃくちゃ気になるけれど、今回はぐっと堪えて、まずはタイヤプラグの限界を見極めたいと思います。
吉尾エイチでした。m(_ _)m
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