【三浦半島グラベル&こみちポタ7】巡るなら、ちょっとディープな「砲台跡」はいかが?

グラベル&こみちポタ

2022年のライドシーズンが到来しました!今年は春が早いので嬉しい限り。ホームの三浦半島も連日たくさんのサイクリストさんにお越しいただいていますm(__)m。三浦半島といえば、海を眺めながらの半島一周×海鮮グルメが王道コースですが、今回は「マイナーだけど深い」そんな楽しみ方をご紹介したいと思います。

意外と多い三浦半島の「〇〇巡り」

サイクリストの性として、ぐるっと一筆書きでコースをつくる「〇〇巡り」に心惹かれてしまう方は少なくないはず。スタンプラリーのマス目をみると燃え滾るアノ感覚です。四国の札所巡りほどのスケールはないけれど、周囲を海に囲まれたコンパクトな地形の三浦半島には、手ごろな〇〇巡りが結構あります。

軍港巡り

船で回るアトラクションで、めちゃ人気。

YOKOSUKA軍港めぐり

七福神巡り

吉尾はやったことありませんが、御朱印集めをかねてチャレンジされる方も。

七福神めぐり-三浦七福神 公式サイト トップページ
神奈川県三浦市に点在する七福神。お正月には七福神初詣に多くの参拝者が訪れる。開運求めて七難則滅・七福即生、七福神めぐり。歩いて巡る「開運ウォーキング」してみませんか?

マイルストーン巡り

自転車半島宣言に伴って設置されたサイクリスト用のモニュメントを巡る。コロナ前は毎年スタンプラリーをやっていましたね。

島巡り

目立ったイベントはないけれど、ほとんどの島が橋でつながっているのでライドの区切りとしておすすめ。

三浦一族巡り

「鎌倉殿の13人」で一躍脚光を浴びた三浦氏。実は江戸幕府並に300年間にわたって、この地をおさめた長期政権だったんです。なので、ゆかりの地もそこかしこに残っています。

三浦一族史跡マップ 三浦半島に三浦一族を訪ねる
三浦半島内の三浦一族に関する史跡等紹介するマップです。

そして今回おすすめしたいのが、「砲台跡」巡り。明治の前期、横浜から横須賀へ鎮守府(軍港の防備を司る役所)が移転されて以降、海軍拠点として発展するとともに、首都防衛の要衝として沿岸に陸軍の砲台や諸施設が次々に設置され、半島全域が要塞化されていきました。いわゆる「戦争遺構」が数多く残っているんです。なかでも、砲台跡は存在が分かりやすく、建造物としてもなかなかに興味深い。その道の方々のみならず一般的な趣味のサイクリストさんでも結構楽しんでいただけると思います。ちなみに吉尾はミリオタではなく一般勢です。

砲台跡のサイクリスト的魅力

とはいえ「楽しめるって一体どのへんを?」と訝しむ向きもあろうかと。自ら自転車で回ってみて感じた砲台跡を魅力をまとめておきますね。

スポットが多い

半島全体が要塞化されただけあって、改めて調べてみると砲台跡はかなりの数があります。陸地にあるものだけでも25ヶ所ありました。ライドのマイルストーンとして設定しやすいです。

海一望のロケーション

東京湾・相模湾に侵攻する軍艦を撃退するための施設ですから、どの砲台跡も海を見下ろす高台にあります。今は草木が茂って見通しが効かないところもあるけれど、総じて良い眺めが期待できます。


↑走水低砲台は東京湾の「かぶりつき」

ほぼもれなくヒルクライム付き

眺望の代わりについてくるのが坂道です。高台にいくわけですから当たり前ですが、クライマー気質のサイクリストさんにはグッとくるポイントなのでは?たまーに未舗装路が残っていたりするので、グラベルバイク乗りとしてもわくわくする瞬間です。


↑砲台山へのアプローチはグラベルクライム

スローな時間が流れるゆったりプレイス

三浦半島に設置されている砲台は新しいものでも昭和初期の竣工です。つまり80~140年くらい前の建築物に足を踏み入れることができます。風雨にさらされ、植物に浸食され、良い感じ崩れ具合が宮崎駿的な世界観を醸し出しています。かつての軍事施設が風化するほど争いのない時間が続いた証でもあり、なんと言われようが戦争を避け続けた日本の歩みに改めて感謝するひととき。


↑植物の力ってすごいですね

あと、残念ながら砲台跡は人気のスポットとは言い難いので、あまりひとけがありません。基本静かです。コーヒーを沸かしたり、食事をしたり、ライドの途中で立ち寄るだけでなく、独りで好きなだけほっこりしまくるためにめざすのもおすすめですよ。

砲台跡の豆知識

カノン砲ってなんだ?

砲台跡の説明を読むと必ず出てくる「〇センチ(サンチ)カノン砲」という単語。〇センチというのはたぶん口径、カノン砲はたぶんキャノン砲(ガンキャノンの肩についてるヤツ)、だと思うのですが、何となくぼやっとしています。

改めて調べてみると、当時のカノン(キャノン)砲は直線的に砲弾を飛ばす大砲のことだったようです。そして、サンチはセンチのフランス発音。もともと砲台に設置されていた「28サンチカノン砲」は、日露戦争で取り外され旅順攻略(203高地)に使われたのだとか。司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」や漫画「ゴールデンカムイ」にも登場していますね。


↑こんなやつが据え付けられていたようです

現代の砲台?PAC3も見れちゃうかも

まったくの余談ですけど、三浦半島は陸海空すべての自衛隊が揃う珍しいエリア。陸・海はわかるけど、飛行場もないのになぜ空自?と思ったら、高射部隊が一時期話題になったパトリオット(PAC3)が配備されています。対空ミサイルは首都防衛のための「現代の砲台」といったところですが、これを使うような事態にはなりたくありませんね。

砲台跡めぐりの注意点

そんな魅惑の砲台跡ツアーにも覚えておいていただきたいポイントがあります。

バイクを横づけできないかも

エリア一帯が公園化されていて、自転車は押し歩き限定になっていたり、まれに駐輪すら禁止されているところもあります。


↑観音崎公園内にある砲台へは押し歩き


↑昨年公開されたばかりの千代ヶ崎砲台は、今のところ駐輪も付近の燈明台跡駐車場へ

開放日と時間が限られているところがある

管理と保全のため、入場の曜日と時間が限られているところもあります。横須賀市のHPなどで確認しておくとベター。

横須賀市砲台跡情報リンク

グラベルサイクリスト的おすすめ砲台跡ベスト5

個人的に気に入っている砲台跡はこちら。バイクでそばまで行ける場所をピックアップしています。

①砲台山

2kmのダートを登った先にあるまったり空間。途中の展望台から眺める伊豆大島が印象的です。


↑眼下に広がる三浦市よりもデカい伊豆大島

②剣崎砲台

キャベツ畑の真ん中に忽然と現れる遺構。まわりでは普通に農作業している光景がシュールです。くれぐれもお邪魔にならないようにしたい。

【三浦半島グラベル&こみちポタ2】和田・長浜・三戸浜・剱崎・岩堂山
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③走水低砲台

見どころ満載の広い敷地とバイクラック完備が嬉しい。弾薬庫の中も見学できる。公開は土日祭日限定です。東京湾を眺めるならここ!


↑昼なお暗い弾薬庫


↑超立派なバイクラック完備

④三軒家砲台

自転車乗り入れ禁止の観音崎公園内にある砲台跡の中で、サイクリストが一番アプローチしやすい場所。横須賀美術館のすぐ上、押し歩きもしやすい。

⑤三崎砲台(観測所)

砲弾の着弾を観測した施設の遺構。短いけれど良い雰囲気のグラベル付き!


↑緑のトンネルにときめく

吉尾エイチでした。m(_ _)m

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