【パフォーマンスを高める睡眠のコツ:後編】自らの睡眠障害を克服した“眠りのプロ”直伝「眠りたいならやってはいけない5つのコト」

自転車普及協会さん主催の「眠りの講演会」後編です。前編では、スポーツパーソンと睡眠時間の関係性についてまとめてみました。

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“眠りのプロ”ってどんな方?
講演のテーマは「スポーツと質の良い睡眠」。講師は皇室御用達の老舗ベッドメーカー「日本ベッド製造株式会社」の林 周作 氏。上級快眠マイスターや睡眠健康指導士の資格を持ち、ご自身の睡眠障害をも克服されたという、名実ともに眠りの専門家です。


出典: 日本自転車普及協会HP

一般財団法人日本自転車普及協会は、”自転車が果たす社会的な役割”を広く一般に啓発することを目的として、広範囲な分野にわたる事業を行っている団体です。

運動のパフォーマンスを高めるためには、一定以上の睡眠時間を確保しなければならないことは理解しましたが、われわれアマチュアサイクリストの生活は総じてままならないもの。毎日、十分な睡眠時間を確保するのは、ロードバイクでバックするより難しい……。そんなみなさまに、林氏からの耳寄りなアドバイスがありました。

そうは言っても寝てられないあなたに。眠りにつくルーティンのススメ

というわけで今回は、「眠りの質」を高めるノウハウについて。“量”の不足を“質”でヘッジする考え方ですね。睡眠時間の確保が難しくても、「眠りの質」を高めていけば、身体も心もコンディションをキープしやすいのだそうです。

毎日決まった時間に起きて朝日を浴びる

それにはまず、体内時計を毎日規則正しくはたらかせることが大切。人間は目覚めた時に朝日を感知すると、頭の体内時計がリセットされます。それをトリガーにして、14〜15時間が経過すると、脳内に睡眠ホルモンである“メラトニン”が分泌され始めるしくみ。

つまり、眠りの “始まり”はベッドに横たわった時ではなくて、朝起きた時にすでに始まっているわけです。このタイミングが日によってまちまちになると、ホルモンにも悪影響がでて、結果として不眠を引き起こしてしまったりもするそうです。

また、体内時計には「頭」と「お腹」の時間軸があるそうですが、その2つを“同期”させておくことも良い眠りにつながる重要なポイントです。毎日決まった時間に起きて、朝食をしっかり取ることで、眠りの質を高める1日をスタートできるのです。

良い眠りにつながる“ルーティン”をつくる

眠りの質を決めるのは、入眠直後にやってくる「深い眠り」をいかに作りだすかにかかっているそう。この時に「成長ホルモン」の分泌がピークとなるため、ハードなトレーニングで身体をいじめている方ほど、筋肉や骨格の「超回復」が進んでフィジカルがより強化される、というわけ。寝入りバナは、まさに “眠りのキモ”なんです。


※講演資料より

朝の「体内時計リセット」がうまくいって、15時間後にメラトニンがドバドバでていたとしても、眠る直前にトチってしまえばそれまでの努力が水の泡……眠りの海にダイブする高飛び込みの「踏切」を失敗しちゃうイメージですかね。

そんなことがないように、チャンスをしっかり掴むためには、自分なりの「確実に眠れる手順」を編み出しておくことが有効なのだそうです。アロマやストレッチ、読書や音楽、そして部屋の明かりのカスタマイズなどなど、このあたりのやり方は非常に個人差が出る部分なのですが、特に多くの方に効果があるのが入浴です。


↑心と身体のケアには入浴がかかせません

入眠には身体の「深部体温」(=内臓などの温度)が下がることが必要なのですが、お風呂で一度体温を上げてしまった方が、その後の深部体温は急激に下がるので、寝つきの良さにつながるそうですよ。ただし、就寝の2時間程前には入浴をすませて、クールダウンのインターバルを確保することがポイント。あと、シャワーではなくて、額がうっすら汗ばむほどゆっくり湯船に浸かると、さらに効果が期待できるんですって。