【パフォーマンスを高める睡眠のコツ:後編】自らの睡眠障害を克服した“眠りのプロ”直伝「眠りたいならやってはいけない5つのコト」

良い眠りをキープする適正な寝具選びは “硬め”がおすすめ

講演を聞いて吉尾が感じたことなのですけど、マットレスや枕って、眠りを誘うというよりも、途中で目が覚めないように身体の負担を軽くする役割が大きいのかな、と。例えば、柔らかすぎるマットレスは寝返りが打ちにくいから腰に負担がかかるそうだし、高すぎる枕は気道が閉じて呼吸がしにくいそうなんですね。

一方、入眠直後の深い眠りのあとは、だんだんと眠りが浅くなっていくので、ただでさえ覚醒しやすい状態。そこに身体の痛みや息苦しさが加わってしまうと、変な時間に目が覚めてしまって、以降は朝まで「悶々タイム」なんてことにもなるでしょう。

朝のヨーイドンから助走をつけて、ルーティン効果で寝入りもクリア。その良い状態を朝までキープするためにも、自分に合った寝具選びが重要になるのですね。こちらもかなり個人差があるから一概には言えないませんが、マットレスはやや硬めのものをチョイスした方が後悔が少ないそうです。柔らかすぎる寝心地を硬くするのは大変だけど、硬い寝心地を柔らかくするのは、ベッドマットなど身体との間に挟むもので調整できますから。

↑20年選手のスプリングマットレスを引退させて、高反発スポンジタイプを試してみました。

眠りを妨げる5つのNGとは?

最後は、これまでとは逆に「眠れなくなる」アクト集。眠りのリズムを乱したり、覚醒作用があることだそうです。実は習慣になっていることか多くて、話を聞きながら内心ドキドキでした。いきなり全部は難しいけれど、できることから改めていこうと思います。

①帰りの電車で居眠り

以前書いた記事でも触れましたが、やっぱり夕方以降の仮眠はマイナス要素しかないそうですよ。帰りの車内でぐっすり眠ってしまうと体内時計がリセットされてしまうので、肝心のタイミングで寝付けなくなりがち。大切な眠気は夜のベッドインまで温存しておきましょう。

>>快適なライドは快適な睡眠から!良い眠りにつながった3つのポイント | 凪ロード

どうしても眠くて仮眠する際は、日中15分程度が上限だそうです。それ以上は深い眠りになってしまうので、就寝時間に影響がでてしまうそうです。

②アルコール・タバコ・カフェインなどの刺激物

寝酒の習慣を持つサイクリストさんも少なくないと思います。お酒を呑むと眠くなることも多いので、一見理にかなっているように感じますが、実は眠ったあとが問題なんだそうです。アルコールを体内で分解するために身体が活動状態になり、深い眠りの割合が減ってしまうことに加え、分解されてできた物質も利尿作用による脱水や尿意、全てが覚醒に向いてしまうので、眠りの質は確実に低下するようです。

また、よく言われることですが、入眠をお酒に頼ってしまうと、だんだんと量が増えてしまい、身体そのものを壊してしまうリスクが高まるそうです。


↑この時期はホットウイスキーなんて気分になりますが……なるべく早い時間に少しだけ

あと、ニコチンやカフェインも覚醒作用が強く、体内で分解される時間も長いため、眠りのためには夕方以降は控えたほうが無難。吉尾は寝酒ならぬ 「寝コーヒー」の習慣があるのですが、すぐにはやめられなさそうです。

③夜食(特にタンパク質)

就寝前の食事は、林氏曰く“胃腸に深夜残業をさせているようなもの”だそう。お酒同様に、身体は食物を消化しようと頑張っているので、そのぶん眠りは浅くなってしまいます。


↑深夜の焼肉って、たまらなくうまいんだけど……NG!

④ブルーライト(パソコンやスマホの画面)

「寝室の明かりは電球色が良い」なんて言いますが、これは正解なのだそうです。逆に、ブルーライトには覚醒効果があるので、ベッドに入ってからのスマホチェックはNG。できれば、寝る前の2〜3時間は“PC・スマホ断ち”も含めてルーティンを組むのが望ましいそうです。


↑ベッドでスマホを控えたらてきめんに寝付きが良くなりました!

どうしても、寝る間際まで頑張らなければならない時は、例の「ブルーライトをカットするメガネ」がおすすめ。睡眠の観点からも意外と効果が高いそうです。

⑤就寝直前の過度な運動

前編の「朝練か夜練か」モンダイでも書いたとおり、就寝前に追い込んだトレーニングをしてしまうと、身体は疲れているのに気持ちが昂って眠れない状態になりやすいので注意しましょう。一方で、ストレッチやマッサージなどはリラックス効果が期待できるので、入眠のルーティンとしてもおすすめです。

↑吉尾は可動域アップのためにもボールを使った筋膜リリースを取り入れています

「気持ちで眠る」スタンスが大切

専門家の中には睡眠について、そんな表現をする方もいらっしゃるそうです。吉尾にとって今回の講演会で一番印象に残ったフレーズでした。考えてみれば、どんなことでも上手にできるようになるためには準備と練習、そして情熱が必要……そういった意味では、スポーツも眠りも本質的には同じことなのかもしれません。特にロードバイクは、機材選択の重要性や長時間プレイなど共通項が多いから、理解しやすいところもなきにしもあらず、ですかね。


↑わが家の子猫はナチュラルに寝てますけど……

というわけで、これまで能動的なイメージをもてなかった睡眠ですが、これからはそのスタンスを180°転換しようと思います。いわば「攻めの眠り」。アグレッシブに眠りをコントロールすることで、人生の3分の1を占める時間をさらに充実させちゃいましょう。

吉尾エイチでした。m(_ _)m