クリートのフィッティングといえば縦横の平面移動が一般的ですが、さらに立体的な調整ができることを知りました。クリートとソールの間にスペーサーを仕込んで「高さ」を加えると良いことがあるみたいなんです。
ワールドサイクルさんのブログで見つけたこのtipsを試して3ヵ月ほど経ちましたので、しくみや使用感をまとめておきたいと思います。
シューズを厚底にすると足の軌道が変わるのだ
シマノのラインナップに「クリートスペーサー」というアイテムが存在するのをご存知でしょうか?吉尾は完全にノーマークでしたが、なんでも、脚長の左右差をカバーするためのものらしいです。クリートと同型の樹脂板が3枚1セットで売られています。
通常は短い脚側のシューズに、適正な組み合わせでセットします。それを今回は3枚とも片足に装着。つまり、2+2+1=5ミリをシューズのソールからクリートまでかさ上げします。
スペーサーの厚みで足裏の力点がクランクから5ミリ離れるので、上死点ではクランクが5ミリ伸びたことになり、その分、下死点では5ミリ短くなります。それによって足の軌道が変わり、ペダリングで重要だと言われる「12時〜3時までの入力」の比率が上がるというカラクリです。ちょっぴりややこしい話ですけど、要は、バイクの推進力に直結する部分が長くなるから、より速く走れるというわけ。
効果は楕円リングと似ているけれど……
次に力学的な視点でクリートスペーサーの効果を可視化したいと思います。力学といえば、以前から気になっていた「楕円チェーンリング (CR)」も、この際だからまとめて調べてみました。もともと物理は苦手なうえ、楕円CR未体験の人間ですので、グーグル先生頼りのチャレンジです。
クリートスペーサーと楕円CR、それぞれのペダル軌道とチェーンリング軌道を図にしてみました。まず、仕組みを比べてみると、クリートスペーサーの方は、実質的なクランク長が可変するため、その分、足を伸縮させて対応します。一方、楕円CRのペダル軌道はノーマルと同じですが、チェーンリングの大きさ(歯数)が可変します。クランクの位置によって大小のギアを踏み分けているイメージですかね?
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