自分の走行状態を数値化してくれるサイクルコンピューター(サイコン)。スピードに加えてケイデンスや心拍数を表示するとなると、ワイヤレスタイプを選ぶことになります。
センサーと本体を繋ぐ通信規格は、ガーミンが採用する「ANT+」がデファクトスタンダード。最近では、レザインやブライトンなどの後発ブランドにスマホやPC周りで馴染みの深い「Bluetooth(BLE)」が採用されたモデルも増えてきました。
吉尾は価格重視でBLEタイプを愛用していますが、センサーとのペアリングがやや不安定だったり、ライドデータの転送速度がのんびりしていたり……買い替えたくなるほどではないけれど、使い勝手は今ひとつ。そこで今回は、サイコンの通信規格にスポットをあてて、ANT+とBLEの違いやちょっとしたトラブルシューティングについて書いてみたいと思います。
>>【ブライトン・サイコンのレビュー】斜度がわかるって楽しい!でもBluetooth接続はやっぱりナーバスでした…… | 凪ロード
ANT+とBLE、サイコンに向いているのはどちらの規格か?
ANT+とBLEはどちらも複数のセンサーを接続するための通信規格。通信範囲を近距離に割り切っているので、どちらも省電力な規格です。ただ、開発された目的が違うので「似て非なるもの」。当然、両者にに互換性はありませんから、ANT+の本体にBLEのセンサー類は使えません。
規格 | ANT+ | BLE4.0 |
無線周波数 | 2.4GHz | 2.4GHz |
有効距離 | 約30m | 約100m |
通信速度 | 20kbps | 1Mbps |
ネットワーク | P2P・スター・ツリーなど | スター |
消費電力 | 1〜10mw | 0.01〜10mw |
フィットネス特化型のANT+は、安定した接続とネットワークの柔軟性が強み
ANT+は、あのGarmin社の傘下である、カナダのDynastream Innovations社が開発しました。もともと、ランナーの運動測定をするセンサー機器とモニタリングする腕時計との近距離間通信のための規格。
そのため、通信速度よりも、通信の安定性(切れにくさ)や多種センサー類との同時相互通信の機能に優れているそうです。ログの記録など、長時間連続で通信し続けるフィットネス機器に採用されるのも納得。
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