【クリート・スペーサー】5ミリのゲタばきでバイクの進み方が変わる?楕円チェーンリングとの違いも考えてみた

ロードバイクのシューズ&ペダル

 

これを梃子の原理に当てはめてみると、クリートスペーサーは力点〜支点の長さが、楕円CRは支点〜作用点の長さが、それぞれ変わるという解釈になります。このあたりですでに、しどろもどろな状態になってきました。そこで、クランクに同じ力を入力した際の効率を数値化して比べてみることにしました。わかりにくい時は結果を定量化しちゃうのが早道だったりしますから。

どちらもクランク長は17cm、チェーンリングの半径を10cm、ペダル(力点)にかかる力を10と設定します。そして、クリートスペーサーの厚みを5ミリ、楕円CRの楕円率(最大直径と最小直径の比率)を10%とした場合の結果は下表のとおりです。

●作用点(チェーンリング)にかかる力(トルク)の計算式
①力点(ペダル)の入力値×②力点〜支点(クランク軸)の長さ÷③支点〜作用点の長さ

●クランクが12時にある時

作用点(チェーンリング)に
かかるトルク
ノーマル 100.170.117.0
スペーサー
あり
100.1750.117.5
楕円CR100.170.0918.9

●クランクが3時にある時

作用点(チェーンリング)に
かかるトルク
ノーマル 100.170.117.0
スペーサー
あり
100.170.117.0
楕円CR100.170.117.0

●クランクが6時にある時

作用点(チェーンリング)に
かかるトルク
ノーマル 100.170.117.0
スペーサー
あり
100.1650.116.5
楕円CR100.170.0918.9

 

程度の違いはありますが、スペーサーも楕円CRもクランクが12時の位置にある時に作用点の数値がノーマルを上回っています。逆にチェーンリングにかかる力を同じにした場合、より少ない力で上死点を通過できるということですから、理屈の上ではどちらもペダリングが効率化されていると解釈して差し支えないと考えます。

しかし、全てが同じ効率になる3時を境に効果がわかれていきます。スペーサーはクランク長が短くなるから効率がノーマルを下回りますが、楕円CRは上死点と同様に効率があがります。

 

実走では入力→脱力のリズムがとりやすくなる

というわけで、理屈ではスペーサーを使うと、3時から9時までの“下半球”の効率が悪くなることがわかりました。でも、実走においてはこの部分って、反対側の足の入力を妨げないように、なるべく脱力して通過させるのがセオリーだったはず。ゴルフやバッティングで言えば、インパクトあとのフォロースルー的な位置づけです。

なので、今回のスペーサー装着のケースでは、フォロースルーのマイナスよりも、ペダリングで1番おいしい12時〜3時の軌道で効率が高まることこそ、バイクを前に進めるためには重要なのでは?と感じました。

↑こんなシューズならもっと速くなる!(ウソ)

効率化といってもその度合いは数パーセントだから、実際ドカンと速くなるわけではありません。でも、スペーサーを使ってから、入力するべきタイミングをなんとなく掴めるようになったことはとても大きなメリット。踏むべき時に踏み、抜くべき時に抜く、ペダリングのメリハリをサポートしてくれる優秀アイテムです。

↑シマノとは役割が違いますが、ルックKEOの純正スペーサーも発売されました

 

吉尾エイチでした。m(_ _)m

 

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