【自転車道】嫉妬するくらい骨太な、自転車愛に溢れた連載の総集編

自転車本の読書感想文

 

皆さま、2021年の「初走」はいかがでしたでしょうか?吉尾の正月休みは毎年仕事混じりの飛び石になってしまうので、今年もライドは控えめ。無理せず、“積ん読”してた本の消化に勤しんでみました(寒いしね)。

 

ロードバイク版「ガイヤの夜明け」

さてこの「自転車道vol.1」。昨年7月末の発売と同時に購入したわりに、ステイしたまま年越ししちゃいました。しかも、その間に続編も出ちゃったり……。そんなわけで、すでに読み終えた方も少なくないはずとは思いつつ、遅ればせながらのレビューです。

本書のコンセプトは〝製品作りの源流を覗く〟というもので、カーボンの東レやベアリングのNTNなどに直撃取材をしています。サイクリストにお馴染みのバイクブランドよりもさらに上流に位置する、素材や部品メーカーにまで遡って「これまでの自転車専門誌では決して語られることがなかった製品開発の真実」に迫ったのだそうです。

はっきり言って、登場するのは全て働き盛りのおじさんです。しかも、その道でン十年もメシを食ってきたプロ中のプロ。その方々がフレームの力学とか、バイクのカラーリングとか、カーボンの糸とか、ベアリングの玉とか、サイクリストでもそこまで気にして乗っている人はいないか、いたとしてもごく少数に違いないテーマについて、淡々と語っています。ネタバレになるからあまり内容には触れませんが、こう、なんというか、アサヒスーパードライのCMだったり、カンブリア宮殿だったり、ガイヤの夜明けだったり……個人的にはそんな骨太さを感じました。


↑小さなシールドベアリングひとつにも深い物語がある

 

本当の意味では「読了」できていないんです、実は。

「自転車道」は、もともと自転車雑誌「サイクルスポーツ」の連載企画。書籍化第一弾は、2014年11月号から19年8月号まで計30回続いたうち、初回から12回分を切り出してまとめたものです。オンタイムで読まれた方には「いまさら感」を覚える部分もあるかもしれませんが、初見の吉尾にとっては一冊の本にしてくれて本当にありがたかった。

文章は対談方式で読みやすくなっているものの、専門用語が惜しげもなく使われているので、読むほどに上滑りしちゃって内容をアタマに残せないんです。「あれ、モーメントってなんだっけ?」という調子で、読んでは戻るの繰り返し。知識不足の吉尾にはなかなか手強い本でした(だから手をつけるのに半年かかりました、という言い訳をしておきます)。


↑まさに深い淵のほとりに立ったような

正月休みを使って、なんとか通読はできたけれど実は内容を咀嚼できたとは言い難い状態です。これが連載だったら「興味はあるけど読むのが面倒な記事」として間違いなく読み飛ばしてました。書籍化されたのは、サイクルスポーツ誌読者の皆さんの要望からということでしたが、吉尾と同じように感じた方が多かったのかもしれません。

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