自転車雑誌「バイシクルクラブ(バイクラ)」の編集長が替わり、それに合わせて紙面も刷新されました。昨年終盤からSNSなどでかなり活発に前フリしていたので気になっていたんですよね。中身の構成を見直し、読者の間口を広げていくのだとか。
自転車雑誌はここのところめっきりご無沙汰だったのですが、おしゃれな表紙と付録に押されて購入してみました。品川駅構内の書店では翌日には売り切れ。やっぱり話題性ですかね?(吉尾はアマゾンで買いました)
バイクラ・リニューアルのダイジェスト
月間から隔月へ
だから1月発売なのに「3月号」だったのね。とはいえ、一冊あたりの情報量が倍になったということではないようです。
ロゴの変更
創刊時のロゴをオマージュしたのだそうです。1985年から約40年にわたって提案し続ける「自転車の楽しさ」への想いが込められているそうです。
コンセプトの変更
“Ride to the end of the world -WITH YOU-”をリニューアルコンセプトとして5つのポイントを強化。
1.新規層へ向けた趣味同士の掛け合わせによる新ジャンルの開拓
2.「あったらいいな」と思うイベントや限定商品の開発を強化
3.媒体の垣根を超えたイベントやメディア露出を通した広報活動で、女性にもアプローチを広げる
4.地域との取り組みやアドベンチャーツーリズムを推進し、日本中に自転車の似合う風景「バイシクルランドスケープ」を広める
5.ロードバイクに限らず、グラベルロード、ツーリングバイク、MTB、ミニベロと多岐にわたる自転車趣味の世界をお届け
雑誌作りをとおして培ってきた、ノウハウや人脈、そしてネームバリューがバイクラのアセットでしょうから、それを雑誌以外のメディアやアイテムへ多角的に活用する、といったところでしょうか?隔月化することによって、浮いたリソースがどこに投入され何が実現されるのか?いち読者(たまにですが)として楽しみです。
そういえば、自転車雑誌を買う時には、圧倒的にバイクラ率が高かったなあ。バイクラはそもそも、サイスポとかファンライドよりユル勢を意識した紙面づくりだったのでしょう。
リニューアル第1号の内容は?
特集は強化ポイント直球の「趣味のかけ合わせ」
今回の特集は「ゆるく楽しむグラベルライド・自転車×アウトドア」。当ブログ凪ロードも昨年コンセプトチェンジして「ゆるっと楽しむロードバイクライフ」へ。なんか想いが似ているなあと親近感を覚えて、その中身に興味がわいた部分もあります。
「今までロードバイク一本だったけど、なんかグラベルって楽しそうだよね?」なんて考えているサイクリストさんが知りたいポイントがよくまとまっていて一読の価値はあると思います。昨年、半ば勢いでグラベルバイクに乗り換えた吉尾にとってもかなり勉強になりましたよ。グラベルバイクに力をいれているショップからのアドバイスとか。
ただ、ほかの趣味(今回はアウトドア)とのかけ合わせという観点ではもうひと声な感じ。自転車とアウトドア。どちらも範疇が広く、かつ、境目があいまいだからフォーカスしにくいとは思うのですが……。もう少し「そう来たか!」的な斬新さで攻めて欲しかった、かも?次号はどんな異業種交流を提案してくれるのか、実はかなり楽しみにしています。
女性を意識するとシニアもついてくる?
あと、個人的に興味深いのは、ベスビーのeバイクと、ブランクがあるサイクリストに向けた復帰トレーニングの記事。実は真逆のアプローチなんですけど、電動と人力の間で揺れ動いている方は少なくないんじゃないですかね?そんな時に、車重16kgで、航続100km超、11sで見た目もスッキリのeバイクが30万円台で買えちゃう、なんて聞くと「もう、eバイクでよくね?」となったり、復帰トレーニングで「いや、まだ人力でガムバル!」となったり。
女性やカップルでの楽しみ方を提案しているだけなかもしれませんが、おっさん以上老人未満のメンタリティとバイタリティをもった読者にも刺さりますよ、きっと。っていうか刺さった。吉尾はたぶん、キャノンデールの人力バイクよりeグラベルバイクのほうが向いている層だったのでは?と顧みています。
これからはフロクのクオリティも重要?
新生のバイクラのお値段はなんと、税込1,870円!アマゾンでプレミアが発生しているのかと思って、元値を検索しまくってしまいました……。ある意味、雑誌の常識を覆す革新ともいえるプライス。しかしです。同じくアマゾンのKindle Unlimitedを使えば月額980円で、ほかの雑誌や書籍も含めて読み放題。バイクラは隔月発行だから、Kindle Unlimited2ヵ月分と比べてらほぼトントン。つまり、「紙」のバイクラをわざわざ購入する意味合いは、ずばり「フロク」ですっ!
これまで何度か買ってみたバイクラのフロクは、正直、使いたくなるようなものはなかったし、ロゴがしっかり入っているものがほとんどだったから、自腹を切って雑誌の宣伝をするのもなんだかな、と。でも、リニューアル第1号の「ハンドルバッグ」は、アイテムとして良いところを突いていると思うし、作りも悪くないですから。
例えば、雑誌の値段の半分がフロク代だと考えたら、ハンドルバッグは935円。自転車グッズとして売るなら、(原価はどうあれ)流石にその値段では出さないでしょう?なので、フロクにそれ以上の以上の価値があると感じれば買いってことです。
フロクづくりは、リニューアルコンセプトの「限定商品の開発」にも通じます。さらに磨きをかけていければ、それはそれで、雑誌としてユニークなポジションにつながっていくはず。本筋である情報発信やコミュニケーションの形態は、どんどんデジタルにシフトしていくのでしょうから、ここはさらに割り切って「書店で買える”日本一イケてる自転車グッズブランド”」をめざしてみるのも楽しいのでは?なんて無責任なことを考えてしまいます。
なにはともあれ、この時期に「変化」というリスクを取りにいったバイクラの「これから」に期待しましょう!
吉尾エイチでした。m(_ _)m
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