年齢を重ねるにつれ避けては通れないのが「眼の衰え」。フィジカルな経年劣化(要は老化)をもっとも早く体感するパーツなのではないかしら?手元にピントが合わない、暗くなると見えにくい、視野が狭まる……などなど。
当然に動体視力も下がるから、とっさの対応が遅れがちになります。ライドの危険度が高まるだけでなく、見えにくいことのストレスで楽しさ半減です。しかも、筋力や肺活量と違って、一度衰えた眼の能力を元に戻すことは非常に難しい。
ですが最近、アイウェアのレンズカラーの選び方を工夫すれば、見えにくさをそれなりにヘッジできることに気がつきました。というわけで、今回はレンズカラーの使い分けについて考えてみます。
レンズカラーによって見える“光”が違う
アイウェアの話に入る前に、少しだけウォーミングアップをしておきましょう。普段私たちが目にしている“光”、つまり可視光線には一定の周波数があります。空にかかる虹をイメージするとわかりやすいと思うのですが、アーチの一番外側が赤で一番内側が紫になっていますね。
この7色が見えている範囲が可視光線で、赤の外側が赤外線、紫の内側が紫外線となります。そして、内側から外側に向かって光の波長は長くなります。
アイウェアのレンズカラーは、それぞれカットする光の波長に差があるので、装着した時の見え方が変わります。一般的には、レンズカラーと同系の色は通過させ、補色(色相環の反対側の色)をカットします。
レンズカラーごとの得意なシチュエーション
そんなレンズカラーの特性を踏まえて、見え方の違いを調べてみると、天候や時間、ロケーションによって向き不向きがあるようです。
グレー系はシーンを選ばないオールラウンダー
眩しさを弱める効果が大きい。全ての波長の可視光線を平均的に吸収してくれるので、色調の変化が少なくナチュラルな見え方。さらに、赤色の識別が高まるため、赤信号や車のブレーキランプが認識しやすいのが特徴。
ブラウン・オレンジ系はくっきりハッキリのパンチャー
散乱する波長の長いブルー系の光をカットして、コントラストを高めてくれます。ドライブやスポーツをする時など、動くものを認識するシーンに最適。ただ、雨上がりの快晴など、視界がくっきりしているコンディションでは逆に疲れやすくなるデメリットもあります。
イエロー・レッド(ピンク)系はさらに見えにくい時のピンチヒッター
ブラウン系よりもさらに視界が明るく、コントラストも高くなります。一方で、眩しさを抑える力は弱いので、日差しが強い日の使用は避けた方が無難。夜や暗い曇りの日に強みを発揮するカラー。
ブルー系はギラギラを抑えるクールなストッパー
人が眩しいと感じる黄色や赤系の光をカット。強い日差しの時に活躍します。道路の白線の視認性が上がるので、サイクリング用のアイウェアに採用しているブランドもあります。
グリーン系は優しい見え方でリラックス
青や赤系の光を吸収することで、最も自然な色調で見えます。程よいコントラストと山や森など緑を鮮明にする効果で目に優しいカラーです。でも、補色である赤が目立たなくなるので、ロードバイク向きではないかも。
<参考>
市立御前崎総合病院 HP
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