TL・TLRのタイヤ・ホイールの組み合わせには相性モンダイもあるらしい……
さて、2つのチューブレスタイヤとホイールの違いを整理できたところで、実際に使う時のことを考えてみましょう。
TLとTLRは、タイヤもホイールもそれぞれを組み合わせて使うことができます。ただし、どちらか一方でもTLRを選んだ場合は、シーラント剤を使う必要がありそうです。
●チューブレスのタイヤとホイールの組み合わせ
◯:必要・×:不要・△:相性等による
ホイール | |||
TL | TLR | ||
タイヤ | TL | シーラント剤 × リムテープ × | シーラント剤 △ リムテープ ◯ |
TLR | シーラント剤 ◯ リムテープ × | シーラント剤 ◯ リムテープ ◯ |
△マークについて説明しておきますね。TLタイヤのビードとTLRホイールのリムの相性が良い場合を想定しています。TLタイヤにはエアシールがあるので、TLRホイールのリムとしっかり噛み合えば、理屈の上ではシーラント剤は必要ありません。
↑その点、IRCのフォーミュラプロはマッチングの幅が広いらしい
さらに付け加えると、タイヤとリムの相性によっても気密性にバラツキが出てしまうようです。TL同士で組み合わせても、空気が漏れてしまうことがあるのです。TLが主流のクルマやバイクと違って、ロードバイクはタイヤとリムの仕様を標準化しきれていないのかもしれません。そんな時には、笑ってシーラント剤を注入してあげましょう!
ちょっぴりカオスなTL&TLR事情……でも、乗り心地はどちらもグッドですから!
仕様のバラツキといえば、ホイールによってTLなのかTLRなのか微妙なタイプが存在します。例えば、シマノのRS-700ホイール。実はリムのニップルホールをステンレステープで塞いだつくりになってます。TLホイールと聞いて「穴なしリム」を想像していたら、ちょっぴり違和感を覚えそう。天下のシマノさんのプロダクトですから、使用には問題ないと思いますが……
反対のパターンがマビックのUSTホイール。リムにはニップルホールがありませんからリムテープを使わないそうです。でも、TLRタイヤと組み合わせてひとつのシステムとして売っているので、TLRに分類されるようです。
TLとTLR、ただでさえ名前が似てる上に、構造の線引きも曖昧となると、さすがのA型気質の吉尾も「もう、どっちても良いか…」と開き直ってきました。シーラント剤やリムテープの要不要の違いはありますが、どちらのチューブレスも、キモである「乗り心地の良さ」は同じですから!
逆に標準化されてないということは、まだまだ発展途上で「伸びしろのあるアイテム」とも言えます。細かい部分はユーザーの工夫で補いながら、今後のさらなる進化に期待したいと思います。
吉尾エイチでした。m(_ _)m
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