【グラベルバイクのショートクランク化①】キャノンデールBB30のクランクをセルフで交換してみた

ショートクランクってどうなのさ?

ロードバイクでは170mmのデフォルトクランクを165mmに交換したところ、なんとなくラクになったような感覚がありました。

グラベルバイクも同じようにショートクランク化したかったけれど、キャノンデールのBB30は敷居が高くて……DIYで手を入れることには腰がひけていました。まず、シマノクランク以上に専用工具が必要ですし、上手く組み上げるにはある程度の技術もないと厳しそう。そもそも、キャノンデールの純正パーツはコロナ禍でオーダーストップ中だからクランク自体が入手不可。


↑新車取り外しの165mmクランクってほんとに出回らないんです

そんな中、1年以上探して諦めかけていた165 mmの中古クランクをゲット!ならばヤルしかないよね?というわけで、いよいよ”最後の聖域”に踏み込んでみました。

作業は動画とブログどおりにやればOK!

クランクユニットのつけ外しについては、キャノンデールジャパンの動画とキャノンデールショップのブログ記事に従って進めていけばカタチにはなります。「誰でもカンタン」とは言えませんが、2つのマニュアルがわかりやすいので。吉尾にとってはバイブル級の資料です。

SIクランクのオーバーホール | キャノンデール横浜
CAAD12やSUPERSIXなど、キャノンデールのロードバイクでおなじみのSIクランク。 当店では納車整

なので、今回の記事ではそれ以外のところを重点的に取り上げていきたいと思います。


↑クランクユニットを外してからの手順は下記をご覧ください

BB30のクランク交換はアームだけを取り替える

シマノユーザーの「クランク交換」は、ペダル穴が開いたクランクアームとチェーンリングを留めるスパイダー、そして左右をつなぐスピンドルをまとめてまるっとすげかえること。片やキャノンデールのクランク回りは全部バラバラになります。


↑スピンドルを外したらロックリングに工具を噛ませます

スピンドルの分解は動画でも解説されていますから、ここではクランクアームとスパイダーの分解にフォーカスしましょう。2つのパーツを繋ぐ特殊なロックリングは47Nmという高トルクが要求されるます。普段のメンテでは体験しないレベルなので、セルフでやるなら注意が必要です。


↑高トルク作業に万力を出動

ロックリングは薄く、いかにもナメやすそうな形状ですから、しっかりと固定することがポイントです。回す際には片手で工具を押しつけながらジンワリとチカラをかけていきましょう。tipsとしては、事前にラスペネなどの潤滑油を噴いておくこと、そして延長パイプなどでテコを効かせてなるべく作業を軽く。シロウトは技術が無い分、手順を踏まないと怪我や失敗に繋がります。


↑エクステンションは50cmくらいあるとかなりラク


↑万力いらずのキャノンデール純正工具もあるけど日本では入手できないっぽいです

分解できたら165mmのクランクにスパイダーを取り付けます。接合部にはグリスをかましておきましょう。今回はベアリング回りに指定されている「ブレーキプロテクター」を試してみました。グリスというよりパテっぽい感じなので、パッキンやロックタイトのような効果を期待しました。


↑シマノグリスよりも固いです

今回取り付けてみてわかったのですが、165mmと 170mmは同じパーツの使い回し。ペダル穴だけズラしてあるんですね。「クランクが短くなる分多少は軽量化できるかも」と目論んでいただけにちょっとだけ残念です。ショートクランク化の実走インプレは改めてアップさせていただきます!


↑穴の位置は確かに違う


↑懐かしのSIクランクですが、これはこれで違和感なし

中古パーツの通販リンク


実はクランクより工具の方が高価だったり

というわけで、今回はお約束のトラブルもなくスムースに完了。かなり慎重に作業を進めたせいあるけれど、道具の恩恵も大きいです。専用工具を廉価版や代用品ではなく、パークツールやキャノンデールの純正品で揃えておくと作業の精度が違いますね。ただ、コストは嵩みますね、やっぱり。合計すると中古クランクの3倍くらい……。


↑ブレーキプロテクターが侮れないプライス

専用工具を回すために別の工具が必要だったりしますから、なんだかな〜という思いもなきしもあらず。工具を揃えることにも喜びを見いだす吉尾には”必然”という免罪符ができるので、まあ悪くない規格なんですけど。工具沼にハマって嬉しがるサイクリスト以外は、クオリティの面でもプロにお願いしちゃった方が良い気がします。

BB30のクランク交換に必要な専用工具

キャノンデールKT013

クランクアームとスピンドルの付け外しに使います

パークツールLRT-3

クランクアームとスパイダーの付け外しに使います

パークツール TWB-36 クロウフット

LRT-3をトルクレンチで使うためのツール。36mmサイズを挟めるレンチでも代用可能です。

ブレーキプロテクター

BB30指定グリス。クルマやオートバイのブレーキの鳴き止めに使うのが本来の用途。高温に晒されてもタレないグリスです。自転車ではヘッドパーツに好んで使うショップもあるようです。

トップストーン、BB30やめたってよ。

前回の「Aiホイール」と今回の「BB30クランク」でキャノンデールの2大独自規格を攻略できました。が、A iホイール同様、新型トップストーンではBBもシマノのスレッドタイプへ刷新されました。世界のシマノ規格を採用することでパーツ選びとカスタマイズの自由度は確実にアップ!自分好みの1台に「育てる楽しみ」がグっと広がる良きモデルチェンジです。

吉尾エイチでした。m(_ _)m

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