【ショートクランクの効果③】脚まわりの柔軟性をサポートするクランク長選び

ショートクランクってどうなのさ?

適正な可動域はパフォーマンスアップと故障軽減を両立?

前回の記事では、脚の筋肉の「至適筋節長」に注目しました。クランクを短くすることで筋肉がもっとも力を発揮するゾーンに脚の可動域を納める、という考え方です。数値的にどれほどの向上が見込めるかは分かりませんが、少なくともショートクランク化でパフォーマンスが下がることはないと思います。


↑膝の角度は上死点では浅く、下死点では深くなる

そして今回のエアロさんのケースで気付かされたのは脚への負担を軽減する効果。「腸脛靭帯炎」は靭帯が大腿骨と擦れることで炎症を起こしてしまうのですが、ペダリングに置き換えて考えると大きく2つのポイントがありそうです。

ひとつめは上記の栗村氏が指摘しているとおり、腸脛靭帯の柔軟性不足をサポートする効果。膝の可動域をコンパクトにすることで靭帯を緩め、大腿骨との摩擦を軽減する訳ですね。


↑膝を伸ばしきる直前&曲げ始めた直後に腸脛靭帯はこすられる
出典:東京山手メディカルセンター

そしてもうひとつは膝が伸びる下死点の状態。腸脛靭帯は膝が伸びきっている際には大腿骨の出っ張りの前側にあるのですが、30°くらい曲げたあたりでそれを乗り越え後ろ側に移動し、その際に摩擦が生じるのだそうです。

つまり、クランクを短くすることで下死点の膝角度を150°以内におさめることができれば大腿骨との摩擦は生じない=靭帯の炎症もおきにくいのでは?と考えました。(医学的知識のない素人がネットで調べた限りの知識で語っています。ご了承ください)


↑ 吉尾のグラベルバイクはシマノクランクをポン付けできないのでデフォルトの170mmのまま……ひょっとしたらこすれてる?ドキドキ

筋肉の効率を高めるだけでなく関節の負担も減らす、なんて書いてしまうと、まるでショートクランク教徒のようですが、「クランクを短くすれば全てが良くなる」なんて思っているわけではありません。

ただ、新型のデュラエースやアルテグラに短いクランク長バリエーションが追加されたことを考えると、「長めよりは短め」がバイクフィッティングのトレンドになってきているのかもしれませんね。

吉尾エイチでした。m(_ _)m

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