これからも繰り返し読み込んで、誰かに話してウザがらせるくらいまで理解を深めたいと思います。それだけの労力をかける価値のある情報が詰まった一冊。ちなみに「情報は連載当時のまま」という但し書きがされているけれど、時事ネタはほぼなく、かなり本質的なところに踏み込んだ内容なので、個人的には古いという印象はありませんでした。
プロ同士にしか作れない“本格”に嫉妬すら覚えます
すごく良い本なのに、感想を書いてみるとなんとなくネガティブなトーンに。自分でもなんでだろうと不思議に感じていたのですが、よくよく考えてみると、これは単なる「やっかみ」だな、と。曲がりなりにも情報を発信している立場からするとプロとの「格の違い」を見せつけられた思いです。
一般的なサイクリストが使ってみてどうだったか?そんなユーザー目線の主観の記事は書ける(面白いかどうかは別にして)し、それがアマチュアの強みだとも思っていました。でも、自転車道を読んでしまうと、自転車そのものについて知らなさすぎる自分に改めて気付かされます。ロードバイクのテクニカルなことについては、そこそこ勉強してきたつもりになっていたけれど、深みの始まりにも届いていなかったなんて……_| ̄|○
また、書籍としての佇まいも非常に好みなんですよね。内容の深さに加えて画像のクオリティや誌面のレイアウト、そして紙質のチョイスまで、本を構成するひとつひとつから作り手の気合いが伝わって来ます。実際、たったワンカットのために真夜中の富士山までクルマを飛ばしたりしたのだとか。連載当時から採算度外視でこだわりまくった企画だったのでしょう。
早く読みこなしてvol.2に行かなくちゃ!
タイトルにあるとおり、専門的なテーマを深く掘り下げる探求の書という意味では確かに「道」なんですけど、個人的には、作り手と取材されたプロ達の自転車「愛」が溢れすぎた濃ゆいドキュメンタリーという趣きを感じます。
知らなくても乗れるけど、知るとさらに深くロードバイクを愛せるストーリーとナレッジが満載の「自転車道」。思わず嫉妬してしまうくらい読み応えのある自転車本に出会えた幸福感でいっぱいです。おすすめ!
吉尾エイチでした。m(_ _)m
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