デメリットは「正規品の値段が上がるかもしれない」こと
シマノさんにとって模倣品対策は単純なコスト増。ニセモノがはびこることで失われる売上を下げ止める効果はあるものの、売上を伸ばせるわけではないからです。利益を追及する民間企業としては、かかったコストをどこかで取り返さなくてはなりません。
そうあって欲しくはないけれど、製品価格に上乗せせざるを得ない状況もありうるわけです。そのせいばかりではないでしょうが、実際、シマノ製品は5月・7月で値上げとなるようです。
通販ではユーザーの自衛策って意外と難しい
そんなわけで、粗悪なニセモノはユーザーにとっても百害あって一利なし。どれがニセモノなのかわかってさえいれば「買わない」というユーザー最大のを武器を使って市場から退出していただくことも可能ですが、今回のケースでは買う前にそれを判別することは非常に難しいと感じます。特に吉尾がこよなく愛するネット通販では。
店先で素敵な言葉に出会った。
「お買い物とは、どんな社会に一票を投じるかということ。」 pic.twitter.com/4mD57N6mki— 本ノ猪 (@honnoinosisi555) 2021年5月9日
「不自然に安いモノには手を出さない」という対処法はよく言われるところだけれど、価格は目安に過ぎず絶対的な基準にはなりません。また、件のアプリは便利だけど、ユーザーがニセモノを見つけられるのは商品が到着した後です。
レビューやSNSでどなたかの情報をキャッチできれば良いですが、どんなに気をつけていても、自分が「最初の被害者」になってしまうリスクを回避することはできません。
販売者とプラットフォーマーのクオリティコントロールが問われる
以前、自転車パーツの詐欺サイトに見事に引っかかった経験があります。ただ、後から考えてみると、アマゾンや楽天などの出品者ではなく独立したサイトでしたので、隅々まで注意深く確認していけばその怪しさを見抜けたはず。
でも今回のニセモノの場合は個人売買のプラットフォームやメジャーな通販サイトで販売されていたということですから、ユーザーとしてはそのサイトのクオリティを信用して購入したのだと思います。
個人売買では売り手と買い手、プロとアマチュア、悪意と善意が混ざりあっている状態なので、全てを管理するは至難のワザ。買う側がある程度のリスクを織り込む必要もあるでしょう。しかし、通販サイトの方はあくまでもビジネス。ユーザーの自己責任ではなく、決定的な自衛手段を持たない顧客をしっかり保護する体制を作っていただきたいと、改めて思った次第。
メルカリでシマノのSPD-SLのクリートがめちゃ安いなと思ってたけど、アリエクのコピー品か…
— 高橋 真吾 (@Ritsuo) 2020年3月22日
吉尾エイチでした。m(_ _)m
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