【デ・ラ・トレイル3ヶ月インプレ】手軽にスッキリ!効果はバッチリ!おすすめのチェーンメンテナンス

カーボンバイクのメンテナンス

グラベルバイクで未舗装路を走るようになって、ロードバイク時代と劇的に変化したのがチェーンの汚れ方。キホン雨の日は乗らない派なのでドロドロのグラベルを走るわけでもなく、距離だって長くても数キロレベル。だけどチェーンは、舗装路とは比べ物にならないほど真っ黒になります。


↑グラベルとしてはコンディションの良い道でもオンロードの数倍汚れます

ドライブトレインの手入れは好物なので、作業自体は苦にならないのだけれど。ただウエスで拭くだけでは大量についたジャリジャリをかえってチェーンの中に押し込んでいるようで、今ひとつスッキリしないんですよね、気持ち的に。そんな時に見つけたのが今回インプレする「デ・ラ・トレイル」。3ヶ月ほどじっくり使ってみましたので、それまで愛用していた「ワコーズ・チェーンルブ」と比較しながらレポートしたいと思います。


↑勢い余って2つもポチってた

デ・ラ・トレイルCNTチェーントリートメントとは?

ひと言にまとめると「洗浄と潤滑を一度にできちゃうチェーンオイル」。ベースオイルにカーボンナノチューブ(CNT)という新しい素材を配合することで、オイルによる潤滑性に加えて、微細な(ナノだからね!)CNTがベアリングのような効果を発揮して、優れた低摩擦抵抗を実現するのだとか。公的機関による摩擦係数の実験でも一般的な潤滑剤より4割も摺動抵抗が小さいというデータがでたそうです。


↑黒っぽく見えるのがCNT?

一方で、自転車チェーンのメンテナンスは注油よりもむしろ洗浄の方がキモだったりします。どんなに優秀な潤滑剤でも、あらかじめチェーンについた砂やホコリを取り除いておかなければ十分な性能を発揮できません。粘度の高いオイルの場合は特にその不純物ごとコーティングする状態になってしまうので、かえってダメージを増やす結果にもつながります。

なので通常は、洗浄→乾燥→注油というステップを踏むわけですが、このデ・ラ・トレイルは乾燥をとばして洗浄&注油が一発で済んでしまうスグレモノなのです。

デ・ラ・トレイルの使い方は実にかんたん

そのカラクリは潤滑油で直接チェーンを洗ってしまう新発想です。チェーンの汚れを油で落とす油洗自体は目新しいものではありませんが、洗浄にはディグリーザーや灯油、潤滑にはルブというように別々のオイルを使い分けるのがこれまでの常識でした。

デ・ラ・トレイルは粘度が低い、というより普通の液体ですから洗浄時の使い勝手はディグリーザーとなんら変わりません。ただ、そのあとの注油がない。つまり「洗浄=注油」。洗いっぱなしで、そのままチェーンが潤滑されちゃうお手軽メソッドが画期的なポイントです。

STEP1
デ・ラ・トレイルトリートメントオイルを洗浄器に投入


↑投入量(20〜25ml)はこのくらい


↑使い捨て手袋の着用を強くおすすめします

STEP2
洗浄器をチェーンに装着してクランクを逆回転


↑クランクの回転は20回程度でOK!


↑チェーン下の養生は必須

STEP3
チェーンの余分なオイルを拭き取る


↑拭き取りはCNTがチェーンに馴染む2時間後〜翌日がベスト

STEP4
洗浄器に残ったオイルの始末


↑ウエスや新聞紙に吸わせて燃えるゴミへ

難しい手順は一切なく、誰でも簡単に作業できるところが素晴らしいですね。溶剤のニオイが強めなので、換気はしっかりやっておいた方がよいです。

乾いてからがCNTの真骨頂?
デ・ラ・トレイルのインプレ

あくまでも個人的な感想ですが、デ・ラ・トレイル後のライドフィーリングは劇的に変わります。ライフタイムの捉え方も従来のチェーンルブとはちょっと勝手が違うんですけど、吉尾はとても気に入りました。


↑愛用しているワコーズ・チェーンルブとの比較です

ライドはスムース&サイレント

走り出しはより軽く、静か。少し大袈裟に言えば、チェーンの存在を意識しなくなるほど。あと、シフトチェンジがめっちゃ滑らか。気持ち良すぎてニヤけてしまいます。ワコーズのフィーリングには全く不満はないのですが、さらにその上をいく感じ。


↑走っている間にチェーン内部の汚れが染み出してくるのが正常な状態

ライド後の拭き取りがラク

走りの軽さとは裏腹に、100〜150kmくらいまでは走るたびに画像のような見た目に成り果てます。でもそれはデ・ラ・トレイルがチェーン内部の汚れを排出しているサインなのだそうです。粘度はサラサラですから、ウエスで一回拭けばスパッと落ちます。汚れを巻き込みながら固まっていくスタンダードなルブに比べると、ライド後のチェーンの手入れもノンストレス。


↑拭き取り後はこのとおり!意外と飛び散らないからディスクブレーキにも安心して使えますよ

ライフタイムは200〜300km程度?

150kmを超えたあたりから、静かなチェーンにノイズが微妙に混じり始めます。その頃には溶剤が乾いて汚れの染み出しもほぼありません。一般的なルブならばオイル切れと判断するタイミングですが、デ・ラ・トレイルはそこからまだ頑張ります。見た目ではわかりませんが、微細なベアリング状態のCNTが残っている限り、効果も緩やかに持続していきます。ノイズがはっきりとした軋み音に変わっていくのが、だいたい250〜300kmあたり。音が気になるタチなので我慢できずに再施工しちゃいますけど、実用上はもっと使い続けられる雰囲気はありますね。

乾いても滑らかな不思議

個人的に声を大にしてお伝えしたいポイントは、そのドライ期間の使用感こそがCNTの真骨頂なのかもしれない、ということ。普通のルブならチェーンが真っ黒になるダートでも、カラカラ状態のデ・ラ・トレイルにはマジで汚れがつきにくいんですよ。だけど、走りはそこそこ滑らか。チェーンは粘らないのに効果は粘り強いんですよね。当然、アフターケアもめっちゃラクなので、「オフロード走行向き」というデ・ラ・トレイルの謳い文句は、この第2フェーズの性能を指しているのに違いない!と勝手に胸落ちしちゃうくらい。

唯一、気になるところは耐水性

もともと油洗好きだった吉尾には、デ・ラ・トレイルの使い勝手と潤滑力は非常に魅力的。いろいろと試してきたチェーンオイルの旅もこれで終着点にたどり着けた気もします。ただ、ひとつだけ「ひょっとしたら……」と思いあたるデメリットは雨の日のライド。ベースオイルの粘度が低く、潤滑の要のCNTもチェーンの表面に粉がまぶされているようなものですから、本降りの雨にはすぐに洗い流されてしまいそう。

まあ、晴れの日にしか乗らない吉尾が気にするところではないのだけれど、ブルベや通勤で雨日もガシガシ乗りまくる方は、耐久性に物足りなさを感じる場面があるかもしれません。

【2022.5.14追記】 と思っていたら、200km超の雨天レースでも潤滑が切れないのだとか。オイルが雨で流れてもCNTが頑張ってくれるそうです。これは安心!

吉尾エイチでした。m(_ _)m

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