②成功の土台を作るクリーニングには「マリポサ」がおすすめ
早速リムテープを剥がしてみると、ホイールにはノリがべったり。リムテープ貼り初体験の吉尾でも作業前から失敗するのがわかるほどでした。
残ったノリで表面がデコボコになっているのリムでは、テープがきちんと密着してくれません。ホイールの気密性を高めるためにはクリーニングが必須。ただし、一般的な中性洗剤やアルコールではなかなかキレイにならないので、ここは素直に専用のクリーナーを投入しちゃいます。
使い方は動画のとおり。リムーバーをホイールにたっぷり塗り付けたら放置、乾いたらウエスやブラシでこそぐように拭き取ります。実際の作業で感じたことは3つ程。ひとつは、塗り付けには筆ではなく歯ブラシを使うとベターです。チューブラーホイールのリムに比べてTLRのリムは入り組んだ構造なので、歯ブラシの方が使い勝手が良いです。
2つ目は放置時間。気候にもよりますが6時間くらいは必要です。乾き切らない状態だとノリが残ってしまいます。
そして最後の拭き取りも歯ブラシを推奨。固まったリムーバーが剥がれるときにノリを巻き添えにする仕掛けなので、ウエスよりもブラシで掻き出したほうが、細かい部分のシーラント剤まですっきり落ちますよ。
リムのクリーニングをないがしろにすると、タイヤをはめた後で空気漏れが発覚して、最初からやり直すことになります。せっかく貼ったテープも無駄になってしまいます(経験済み_| ̄|○)。
③ リムテープの幅はちょい広めを選ぶと安全
ホイールのリムがキレイになったらいよいよリムテープを貼っていきます。が、そのテープの幅の選び方が、実はホイールの気密性を高める要だったりします。リムに対して狭すぎるとスポーク穴を塞ぎきれませんし、広過ぎると貼り付ける際にシワが寄ったり気泡が入りやすくなったりして、こちらも空気漏れの原因になります。あくまでも目安ですが、リム幅の内寸にプラス3ミリ程度がちょうど良い感じです。
「目安」と表現している理由は、TLRホイールと一口に言っても構造が同じだけで規格化されているわけではないからです。つまり、細部の寸法はモデルによってまちまちで、「このリム幅にはこのサイズ」と言い切れないところがあります。少なくとも中央の溝と左右のバンプという曲面のぶんを考慮しなくてはなりません。さらに、両サイドの立ち上がり部分まで覆える“余力”を加えると「リムの内幅+3ミリ」が妥当なところだと思うわけです。
※シュワルベ のHPでもリム内寸+2〜4ミリのテープ幅を推奨していました
シュワルベ HP
吉尾は実験がてら、スタンズの21ミリ幅とシュワルベ の 23ミリ幅を前後のホイールで使い分けてみました。
④リムテープ の貼り方のコツはゆっくり、キッチリ
適正な幅のリムテープが決まったら、ホイールに貼っていきましょう。貼り始めはバルブの反対側のスポーク穴の間から。高圧のロードタイヤの場合はホイールを2周するのがセオリーです。700Cホイールの場合、片輪 2周 で4m強のテープを使いますから、長さは8m巻きよりも10m巻きの方が安心です。スタンズもシュワルベも長さは十分足りました。
リムテープの貼り方のコツは、テンションをかけながら、5cm刻みくらいにゆっくりキッチリ貼っていくこと。一気にやろうとすると、左右どちらかに偏ってしまったり、センターの溝やバンプといった曲面にうまく密着しなかったりして、結局貼り直すことになります。リムテープ貼りはまさに “急がば回れ”です。
我流ですが吉尾が行き着いた貼り方は、「左右どちらかの立ち上がり→バンプ→溝の斜面→溝の底→バンプ→反対側の立ち上がり」の順に端から順番に貼っていく方法。センターの溝からという方が多いみたいですが、どうも底部分が浮いてしまう気がして、途中からやり方を変えました。要は隙間や気泡ができなければ良いのですが、慣れないとなかなか難しい……リムの気密性を上げるにはある程度の修練が必要だと思います。
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