吉尾のおすすめは、添加剤入りの非ラテックス系モデルです。ラテックスとは天然ゴムの樹液のことで、数年前まではシーラント剤といえばそれ一択でした。最近は、機能のバランスを調整したり環境への配慮を重視して、ラテックスフリーのシーラント剤が出回るようになりました。
↑ジョーズのエコモデルは、ラテックス・アンモニア・タンパク質(?)フリーで地球環境とアレルギーに配慮
あと、外せないのが添加剤。液体のシーラントに粒や繊維を加えて、パンク修復能力を高めています。添加剤なしのシーラントの修復可能な穴の大きさは2ミリ前後ですが、添加剤入りモデルは5〜6ミリの穴まで塞げるそうですよ(吉尾はパンク未体験のため未検証です)。
↑フィニッシュラインは防弾チョッキに使われる 「ケブラー」繊維入り
個人的にはパンク修復能力よりも、タイヤ交換をした後にエア漏れを止める「シーリング力」の速さが気に入っています。硬化が緩やかなラテックス系シーラントは、下手をすると落ち着くまで3日くらいかかることもありました。でも、非ラテックス系なら一昼夜あればOK!この安定感はホント助かります。あと、ラテックス独特の匂いがないところも気に入っています。
↑パンク対応にはチューブレス専用の修復剤を用意していますが、幸いにして使ったことはありません。
>>【チューブレス用シーラント剤2ブランドを比較テスト】非ラテックス系の「フィニッシュライン」は意外と使い勝手良し | 凪ロード
早く塞いでくれるのに固まらない!「フィニッシュライン」がイチオシ
で実際、おすすめのシーラント剤はどれなのさ?と問われれば、個人的なオシは「フィニッシュライン」。
シーリング力が最速
これまで試してみたシーラントの中では、タイヤ交換後のエア抜けを最も早く止めてくれました。
粘液状態が長持ちするからパンク修復にも期待大
フィニッシュラインは即効性のトレードオフとして持続性=走行中のパンク修復力が弱いと思っていたのですが、1年後にタイヤを開いてみると、なんとまだ固まっていない!しかも、タイヤの内側にゲル状に満遍なく広がって、パンクの際にもしっかり修復してくれそう。半年くらいでカピカピになってしまうラテックス系シーラントに較べると、「固着しにくい」のは本当です。スピードとロングライフ、相反する2つを両立させたイチオシのシーラント剤。
↑半年経ったラテックス系シーラントは完全に硬化しています。こうなるとパンク修復はできません。
↑フィニッシュラインはタイヤの内側が粘液の薄い膜でカバーされています。粘膜は水洗いですぐに落ちます。
↑1週間でトルコアイスのような“ツノ”ができるくらい粘度が上がりますが、そのゲル状態をキープし続けてくれるみたい。
●シーラントの個人的な評価
ブランド | フィニッシュ ライン | ジョーズ (エコモデル) | スタンツ ノーチューブ |
種類 | 非ラテックス | 非ラテックス | ラテックス |
添加剤 | ◯ | ◯ | ー |
シーリング速度 | ◎ | ◯ | △ |
修復可能なパンク穴 (ミリ) | 6.35 | 6 | 針で刺した ような小さな穴 |
ロングライフ (≒固まりにくさ) | ◎ | △ | △ |
匂い | 無臭 | 無臭 | あり |
価格 | △ | △ | ◎ |
入手性 | ◎ | △ | ◎ |
ジョーズのエコシーラントはシーリング特化型
最近試した「ジョーズ」というイスラエルのブランドはかなり個性的なシーラント剤です。上の3つの中では最もサラサラで、一見「青い牛乳」と言った粘度なのですが、半日で硬化しはじめ、1日経つとフィルム状になります。エア漏れを止めるスピードはフィニッシュラインよりもわずかに遅いくらいで、ラテックスタイプに較べたら早い。ただ、一気に固まってしまうので、パンク修復機能を持続させるにはまめな継ぎ足しが必要です。
↑フィルム状になれば、ツルッと剥がせるのでタイヤのローテーションはしやすそう
●wiggleで見る
↑国内では取扱いが少ないのがネック
太タイヤのグラベルバイクにはコストも重要!タイヤ1本あたりのお値段で比較してみました↓
吉尾エイチでした。m(_ _)m
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