優秀だけど未知数も多い油圧ディスクブレーキ
少ないチカラで自転車を止める”効率の良さ”に関しては、リムブレーキよりも油圧ディスクブレーキのほうが優れていることを体感できました。「引きの軽さ」だけにこだわってきたのは、雨の日は乗らない吉尾にとって油圧ディスクのアドバンテージがそこだったからです。
なので、個人的には油圧ディスクブレーキのグラベルバイクを選んだことは正解だったと思っています。でも、自転車のブレーキの評価を決めるポイントは、もちろんそれだけではありません。
例えば制動力。絶対的なストッピングパワーについてはどちらのブレーキも同じくらいだと聞きます。違うのは雨の日でもそれが落ちにくいのが油圧ディスクブレーキだということです。そしてタイヤ幅への対応。グラベルバイクのような太いタイヤを使いたいなら、必然的にディスクブレーキを選ぶことになります。
裏を返せば、雨の日には乗らないし、太いタイヤも履かないロードバイクなら、リムブレーキで十分という考え方もできますよね。実際、今でもローディのほとんどがリムブレーキを使っているわけですから。
そして機械として重要な信頼性についても、新参者の油圧ディスクにはまだまだ未知数なところがあると感じています。もともとの構造がシンプルで、さらに長い時間をかけて改良されつくしたリムブレーキのような”円熟味”は感じられません。油圧ディスクブレーキのメンテナンスの複雑さを知ると特にそう感じてしまいます。
なにより、リムブレーキのエモさは捨てがたい
100%個人の好みの話で恐縮ですが、吉尾はカーボンホイールとブレーキシューが奏でるシュルシュル音が大好き。ブレーキングのたびに思わずニヤけてしまうほどです。
油圧ディスクブレーキもブレーキングの擦過音はしますけど、官能に響かないというか、無機的な感じでいまひとつ”萌え”がたりないというか……。「音なんてどうでもいいよ」という向きもあろうかと思いますが、趣味の自転車にはそんなエモーショナルな部分も結構大切だと思うんですよねえ。
油圧ディスクブレーキは確かに便利でラクチンで、「ユルくヌルく」の吉尾にはこちらのほうがあっているとは感じるのですが、リムブレーキの”愛おしさ”もまた捨てがたい。とはいえ、ブレーキの好みだけで2台のバイクを維持していくのもなんだかな、というどっちつかずの状態に困りながらもなぜか嬉しかったりもする初夏でした。
吉尾エイチでした。m(_ _)m
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