5年前のスペシャライズド・パワーから始まったショートノーズサドル。最初はイロモノ的な文脈で語られることもありましたが、メジャーなサドルメーカーから次々とニューモデルがリリースされ、今では「ショートノーズタイプをラインナップしていないところはない」くらいまで広がりましたね。
吉尾も3年ほど前に新宿のスペシャライズドショップを訪ねてから、「次のサドルはショートノーズ」と決めていたものの、セライタリアの「SP-01・ブースト」に落ち着くまでに、2つのサドルに敗れ去りました。
ショートノーズ・ブームとはいえ、サドルはサドル。“沼”にハマらないわけではありません。そこで今回は、実際に試してみた3つのモデルをサンプルにしてショートノーズサドルの選び方について考えてみます。
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ショートノーズだからといって、どれもがフィットするわけじゃない
吉尾の個人的な印象ですが、スペシャライズド・パワーの秀逸さが、そのままショートノーズサドル全体の特徴として捉えられているきらいがあります。
ショートノーズサドルの共通点は名前のとおりノーマルサドルよりも3cmほど短いことですが、それ以外の要素はモデルによってさまざま。座面の反りや肩のフォルム、ベースのしなり、そして重量などなど、ノーマルサドルを選ぶときのポイントとなんら変わりません。
3つのショートノーズサドルを試してみた
ショート=乗りやすい、という公式は間違いではないけれど、中には自分のお尻に合わないものもあります。実際、吉尾も2つのサドルとは相性が今ひとつで、3つめにしてようやく理想のモデルにたどりつきました。
というわけで、それぞれのサドルのインプレです。ノーマルからショートノーズに替えようと思っている方や今のショートノーズがなんとなくしっくりこない方のお役に立てば嬉しいです。ちなみに、吉尾の坐骨幅は110ミリです。
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シマノプロ・エアロフューエル
パワーのある方にはマッチしそう
シマノプロのラインナップは2モデル。ロード用の“ステルス”とトライアスロン用の“エアロフューエル”です。
評価の高いステルスではなく、地味めのエアロフューエルを選んだ理由は3つ。どフラットな座面に幅広かつクッションが入った先端部分、そしてガバッと開いたセンターです。
ショートノーズサドルは、多かれ少なかれスペシャライズド・パワーのディテールを踏襲しているため、たいがいのモデルの座面はウェイブしています。でも、吉尾はライド中にお尻の位置をちょこちょこ変えるクセがあるので、座面はフラットの方が相性が良いと思いました。
あと、ポジションが前傾していくに連れて尿道が痛むようになったのですが、普通の溝くらいでは解消せず。もっと大胆なヤツが良いな、と。
もくろみどおり、腰はずらしやすいし、尿道の痛みも無くなりました。ただ、想定外だったのは、カーボンコンポジットのベースが硬すぎること。座面のクッションは厚めなのにベースがしならないから、少し距離を伸ばすと坐骨が痛むようになりました。
踏力がある方はしっかりとしたベースを好むと聞きますが、非力な吉尾はいわゆるペナペナしたサドルの方が合うようです。
それから、座面がフラットすぎて尻の置き所となる“スィートスポット”が掴みにくい。文字通り腰が落ち着かない感じがしたのも、ネガティブポイントでした。
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