自転車趣味の究極の「粋」とは?

自転車の小ネタ

もともとが趣味性の塊とも言えるロードバイクですが、その中でも「こだわってるな~この人」と思えてしまうポイントがあります。それはなにかといえば「ベル」ーー法律で言うところの警音器です。

自転車のベルというのは、意外と鳴らす機会がありません。道交法で制限がかけられていることが認知されつつあるせいか、後ろからチリリンとされることは、ひと昔前に比べたら随分と減った気がします。

思い返してみると、ワタシ自身もスポーツ自転車に乗り始めた4年前から、一度も使ったことがなかったりします。

◆鳴らせないのに、外せない……(^^)

自転車のベルを、むやみやたらと鳴らしてはいけない理由は、道路交通法の第54条にあります。


第54条 車両等(自転車以外の軽車両を除く。以下この条において同じ。)の運転者は、次の各号に掲げる場合においては、警音器を鳴らさなければならない。

1 左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき。

2 山地部の道路その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間における左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上を通行しようとするとき。

2 車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。

そうなんです。最後の「2」にあるように、警音器は「鳴らさなけばならない」と定められた区間以外は「鳴らしてはならない」くせに、「鳴らさなけばならない」区間に出くわした時のために装備しておかなければならない、という、なんともヤヤコシイ存在なのです。


↑「警笛鳴らせ」の標識。山道では意外と見かけますね(^^)

埼玉県や東京都のように条例で、ベルの装備が義務化されている自治体もあります。

東京都自転車安全利用指針

埼玉県道路交通法施行細則(自転車関係)について

一方で、よく議論になったりするのが、最後の一節。


危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。

これはあくまでも危険回避の場合であって、歩道を走る自転車が、歩行者の後ろについた時にベルを鳴らすことは当てはまりません。歩道は歩行者最優先であり、そもそも自転車が「やむをえず」歩道を通行する場合は、「注意して」「徐行」しなければならないからです。


(歩行者用道路を通行する車両の義務)
第9条 車両は、歩行者の通行の安全と円滑を図るため車両の通行が禁止されていることが道路標識等により表示されている道路(第13条の2において「歩行者用道路」という。)を、前条第2項の許可を受け、又はその禁止の対象から除外されていることにより通行するときは、特に歩行者に注意して徐行しなければならない。

いずれにせよ、自転車のベルは「滅多に使うことがない」パーツなのです。

◆鳴らせないけどカッコイイ、そこにこだわるのが究極なのでは?

使用頻度が低いモノにはできるだけお金をかけないようにする、というのが大多数の方の行動だと思います。でも、世の中には、そういうものにもお金をシッカリかけちゃうセンスの良い方がいらしゃるようで……

例えば、

一万円のチタン製のベル!サビないし、軽いしでベルにはとっても良い素材。なかなかスタイリッシュです。


<出典元>白井ベル

さらなる高みに……


京都の仏具おりん職人が作り上げた世界にーつしかない高音質の自転車用べル。

ベルの素材・砂張は、奈良時代から正倉院の宝物として扱われてきた金属です。

白井べルの高音質はこの砂張と古来からの技法(技術)を使い、仏具おりんという形で鳴り金物の製造技術を淘汰させ続けた「りんよエ房」だからこそ可能な音色です。

ですって!さぞかしステキな響きに違いありません。当然、ひとつひとつが手作りで、お値段はなんと3万円から!ここまでくれば、まさに究極です。

ワタシの愛用といえば、ロードバイク用ド定番のこちら。

娘のダホンと色違いで使っています。

値ごろだし、小さいし、取り付けやすいしでとても気に入っているのですが……いつか、ベルにもこだわって「粋なローディ」なんて呼ばれてみたい~

吉尾エイチでした。m(_ _)m

コメント

  1. yoshimotoya120 より:

    あ、ワタシも同じベルです^_^(我が家ではワタシがシルバーでニョーボ殿が黒)小さくて邪魔にならないのが良いですよね。

    それにしても1万のチタンに3万の仏具クオリティのベルがあるとは知りませんでした。もはや「いつかはクラウン」レベルですね。

    しかし、自転車に関する法規は曖昧で不可思議な部分が多いですが、中でもベルについては理不尽の度が過ぎます。
    実用面でも、本当に緊急のときは大声あげたほうがよっぽど効果ありますし。
    車道走行についてもそうですが、法律作ったら自分たちで実際に検証してみたら?と言いたくなりますよね。

  2. 吉尾エイチ より:

    yoshimotoya120さん

    今の交通量と道路状況では自転車もクルマをベースにしたルールの中で、上手に折り合いをつけていくしかないのでしょうね。でも、ひと昔前に比べれば、自転車に対する理解は確実に広がっていると感じていますが…いかがでしょう?

  3. yoshimotoya120 より:

    おっしゃる通り、曖昧な部分がある中では折り合いつけなくてはならないのでしょうね。

    こと仙台周辺で走ってる限りでは、クルマのドライバーからの理解はかなり得られてるように感じます。
    それもどちらかというと、震災復興や長距離など県外ナンバーが多いにも関わらずダンプ・トラックのほうが自転車への気遣いがある印象ですね。
    むしろママチャリ系は相変わらず逆走や信号無視も多く、ルールが周知されてないように思えます。

  4. 吉尾エイチ より:

    yoshimotoya120さん

    自転車半島宣言中の三浦半島でも、車道を走るママチャリはわずかです。もともとスピード重視の車体ではないので、車道にでないのは仕方ないとは思いますが、逆走は困りますよね。

  5. yoshimotoya120 より:

    速度の遅いママチャリ系は、これまで通り歩道を走ってもらったほうが安全でしょうねぇ(もちろん歩行者には充分注意を払ってもらわなければなりませんが)

    今日も前後に子供乗せて、片側に大きな買い物袋下げた(これは法規違反ですね)お母さんが狭いところを走ってて、本当に冷や冷やしました。
    ご本人は悠々としたものでしたけどF(^ ^;)

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