【自転車ライトの明るさ考察】友達がいない人のための、必要条件にたどり着くリクツと仮説

ライトのシリーズ第三弾はフロントライトの明るさについて。先日の初夜間走行で初めてまともに使ったライトが、思いの外暗かったんですね。自分ではそこそこ明るいモデルを買ったつもりだったので、ちょっとぴり凹んでしまいました。

ウジウジ悩むくらいなら、「もっとも明るいモデルを買っておく」のが最適解であるのだけれど、優秀なライトはお値段もなかなかのもの。ワタシのように「夜間に走ることはほとんどない」というサイクリストにとっては、コストパフォーマンスが悪過ぎます。

↑こんなのとか

では、どのくらいの明るさのものならば、ロードバイクにつけるライトとして使い物になるのか?一番良いのは友達から実物を借りて、実際にいろんな機種を試してみることです。なぜならば、カタログスペックがライトの性能の全てを語っているワケではないし、そもそも、明るさの感じ方って人によって違いますからね。同じライトでも、夜目の効く方は明るく感じるし、苦手な方は暗く感じるはずですから……。

だけど、そうそう都合よく他人のライトを何種類も借りられるワケもなく、ましてやワタシ同様「ボッチ」で自転車を楽しんでいる方なら尚のこと、やっぱりカタログスペックやネットのレビューから判断するしかありません。

というワケで、今回はロードバイクのフロントライトについて、「ストレスなく使える明るさ」を、出来る限り数値化してみたいと思います。「師匠も友達もいないけど、ロードバイクを楽しんでるぜ!」という、全国23万人(うそ)の「ボッチ・サイクリスト」の皆様のお役に立てれば幸いです。

◆カタログスペックがライトの性能の全てを語っているワケではない理由

自転車ライトを一人で選ぶには、結局カタログスペックを読み解かなければなりません。でも、現状のカタログに載っている数値だけでは、実際の明るさを完全に把握することは出来ないようなんです。

今回調べたところ、ライトの明るさ決める要素(単位)は4つあると理解しましたが、その全ての数値をカタログで公開しているメーカーはないからです。

・ライトの明るさを決める4つの単位

1.ルーメン:光源自体の明るさ
2.カンデラ:光源を一方向に向けたときの明るさ
3.照射角:光の広がり(照らせる範囲)
4.ルクス:道路面の明るさ

図解をするとこんな感じでしょうか?いかんせん文系脳のワタクシの理解ですので間違っていたらスミマセン

もちろん、それぞれの数値が大きいほど「明るい」ということになりますが、それぞれに相関関係があります。

たとえば、光源自体の強さ(ルーメン)が同じライトの場合、照射角が大きい(広く照らせる)ものほど、カンデラ値が低くなります。ズーム付の懐中電灯って、照らす範囲を絞り込むと明るくなり、光を広げると薄暗くなりますよね。まさにアレってことですね。

自転車用ライトのスペックで確認してみると、こんな感じです。ジェントスのライトは「ルーメン」「カンデラ」ともに公開してくれているので選びやすいです。でも、照射角の記載はないので、計算サイトを活用させていただきました。

同じ「110ルーメン」でも、照射角がずいぶん違いますね。ジェントスのサイトにあるサンプル画像を見てみると…

計算どおり、同じルーメンならば「カンデラ値が低いモデル」の方が広い範囲を照らしていますね。いやー、よかったよかったσ(^_^;)

4つの数値を計算するのに大活躍したサイトがこちら

<出典元>
ジェントスHP

自転車探検!
自転車に関するありとあらゆるといっていいほどのデータが載ってるスゴいサイト

◆でも、肝心なのは「地面の明るさ」。一体どのくらいあれば良いの?

ライトの光量や照らす範囲については大体整理ができたような気がします。で、ここからが本番。「どのくらいの光源を使うとどのくらい明るく見えるのか?」このもっとも気になるトコロを数値化してみたいと思います。上図の『4.ルクス』がポイントです。

ではどのくらいの『ルクス』であれば明るいと感じられるのでしょうか?手がかりを探してネットの海を漂ってみると、いくつか参考になりそうな基準が見つかりました!

●JIS照度基準

『競輪、自転車競技場』
屋外
・観客のいない特定地域の運動競技会、学校体育又はレクリエーション活動。一般のトレーニング。

100ルクス

●「安全・安心まちづくり推進要綱」(警察庁)

「人の顔及び行動を明確に識別できる程度以上の照度」とは、10 メートル先の人の顔、行動が明確に識別できる程度以上の照度をいい、平均水平面照度(床面又は地面における平均照度。以下同じ。)がおおむね 50 ルクス以上のものをいう。

「人の顔及び行動を識別できる程度以上の照度」とは、10 メートル先の人の顔及び行動が識別できる程度以上の照度をいい、平均水平面照度がおおむね 20 ルクス以上のものをいう。

「人の行動を視認できる程度以上の照度」とは、4メートル先の人の挙動、姿勢等が識別できる程度以上の照度をいい、平均水平面照度がおおむね3ルクス以上のものをいう。

夜間照明の明るさ基準は3~100ルクスということになりそうです。一方で、自転車ライトの明るさの基準は

・東京都道路交通規則

白色又は淡黄色で、夜間、前方10メートルの距離にある交通上の障害物を確認することができる光度を有する前照灯。

とあります。なので、ライトの明るさを算出するのに必要な条件は、以下のように設定してみました。

距離:10メートル

地面の明るさ:20~100ルクス
(人の顔が識別できれば十分だと思いました)

照射角:17°
(左右3mの範囲は照らしたい)


こちらの条件で、ルーメンとカンデラを算出してみると次の結果となりました。

この表を作ってみてわかったことがあります。距離を10mとした場合、地面の明るさ(ルクス)はカンデラ値の100分の1になるんですね~!「カタログスペックから実際の明るさを推定する目安」ということで、ワタシ的には大発見です\(^o^)/

ここまでお読みいただいてありがとうございました。リクツばかりで退屈な思いをさせてしまったかも知れません。次回は、上記の結果を「明るいライトの仮説」として、実際に販売されている商品のスペックをあてはめてみたいと思います。

吉尾エイチでした。m(_ _)m

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